Bitdefenderのエキスパートレビュー:まとめ
Bitdefenderは2024年におすすめのセキュリティソフトとして上位に位置しています。デバイスの安全を確保するのに必要なサイバーセキュリティ機能がそろっており、すべてのデバイス・OSでとても使いやすく、他社と比べて安いほうです。
Bitdefenderの検証では、あらゆる種類のマルウェア検体を検出できました。また、ほかのセキュリティソフトとは違い、Bitdefenderのウイルス対策エンジンはクラウド型なので、フルシステムスキャン中もパソコンの動作は遅くなりませんでした。ウェブ保護も業界トップクラスで、ChromeやFirefox、Edgeに内蔵されている保護機能より多くの不正サイト・危険なサイトを検出できました。
Bitdefenderほどセキュリティ機能が充実している他社製品はほとんどありません。次のような安全機能が備わっています。
- 高度なランサムウェア対策
- システム最適化ツール
- オンライン決済に役立つ安全なウェブブラウザ
- パスワードマネージャー
- VPN(仮想プライベートネットワーク)
- ペアレンタルコントロール
- Webカメラとマイクの防御
- Windows・Androidデバイスの盗難対策
- ほか多数…
Bitdefenderの機能の大半はきちんと動作します。システム最適化ツールを使ったところ、PCの空き容量を増やしてデバイスの動作を高速化できました。VPNの速度とパフォーマンスは単体のVPNと肩を並べるほどで、ペアレンタルコントロールはカスタマイズ性が高く、子どもの居場所を確認したり、ジオフェンスを設定したりすることもできます。WindowsデバイスでもBitdefenderの盗難対策機能は安心です。参考までに、Aviraの盗難対策はモバイルでしか利用できません。
Bitdefenderは優秀なセキュリティソフトですが、デメリットがないわけではありません。パスワードマネージャーは緊急アクセスやパスワードの共有などの機能がないため、「単純すぎる」と感じる方もいると思います。また、VPNのデータ通信量は1日あたり200MBに制限されているプランがほとんどなので、すぐに使い切ってしまいます。
とは言え、Bitdefenderの最上位プラン「プレミアムセキュリティ」は、VPNのデータ通信量は無制限です(ほかのプランでも、アドオンとして無制限のVPNを購入できます)。一番高いプランですが、無制限のVPNが使えますし、最大10デバイスをカバーできるので、コスパは抜群です(Bitdefenderより機能が少ない他社製品より格安です)。
まとめると、Bitdefenderはトップクラスのインターネットセキュリティ製品であると言えます。マルウェア対策がパワフルなのはもちろん、優秀な機能が充実しており、使いやすく、手頃なプランが複数あるので、予算に合わせて選べます。Bitdefenderのパッケージは30日間返金保証付きなので、安心して試せます。
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Bitdefenderの完全レビュー
Bitdefenderは、手頃な価格で最先端のインターネットセキュリティを提供しています。機械学習と従来的なシグネチャ型スキャンを組み合わせたクラウド型スキャナにより、非常に高いマルウェア検出率を達成しています。ほかにも、優れたウェブ保護機能、高速VPN、徹底したシステム最適化ツール、安全なブラウザ、業界トップクラスのペアレンタルコントロールなどが備わっています(ほかにも複数の保護機能があります)。
無料のWindows版とMac版のほかに、Bitdefenderは複数の有料プランから選べます。「アンチウイルスプラス」はエントリーレベルのセキュリティソフトとしておすすめで、最大3台のWindows PCを保護できます。「インターネットセキュリティ」ではペアレンタルコントロールも使えるため、家族に適しており、価格と機能性のバランスの良い製品となっています。「トータルセキュリティ」では最大5台のWindows・Mac・Android・iOSデバイスを保護でき、コスパ抜群です。一番オトクなのは「プレミアムセキュリティ」で、Bitdefenderのすべての機能と、データ通信量が無制限のVPNが利用できます。Bitdefenderの全プランが30日間返金保証の対象です。
Bitdefenderのセキュリティ機能
オンデマンドウイルススキャナ
Bitdefenderのウイルススキャナは、軽量でありながらも徹底的にスキャンを行います。大規模なマルウェアディレクトリと機械学習を用いて、既知のマルウェアと新種のマルウェアを検出できるのです。また、マルウェアスキャンの大部分はクラウド上で行われるため、Bitdefenderのアンチウイルスエンジンでスキャンを実行中もCPUとディスクの使用率がかなり低いのが特徴です。
スキャンは4種類あります。
- クイックスキャン。実行中プロセスにマルウェアがないかすばやく検出し、削除します。
- システムスキャン。システム全体を詳しく分析し、マルウェアや脆弱性を見つけ出します。
- カスタムスキャン。脅威が潜んでいる可能性のある場所に焦点を絞ってスキャンします。
- 脆弱性スキャン。アプリの設定や重要なソフトウェアアップデートをスキャンし、プライバシーリスクを検出します。
検証用デバイスでウイルススキャンを行ったところ、すべてのマルウェアをキャッチできました。Windowsの仮想マシンに約1,000個のマルウェア検体を入れておき、スキャナの性能を試したのです。検体には、ウイルスやワーム、トロイの木馬、アドウェア、スパイウェア、ルートキット、ランサムウェア、クリプトジャッカー、キーロガーなどが含まれます。
フルシステムスキャンは1時間弱で完了しました。ノートンやAviraなどはスキャンに45分程度かかりましたから、所要時間はほぼ同じです。しかし、他社とは違い、Bitdefenderはシステムへの負担が軽いのがポイントです。マカフィーなどの一流サービスさえ、フルシステムスキャン中はデバイスの動作がいくらか遅くなりますから、Bitdefenderでスキャン中に「デバイスが遅い」と感じなかったのはすばらしいでしょう。
Bitdefenderでは、スキャンのスケジュールも設定できます。システム起動後にスキャンを実行するか、毎日、毎週、毎月から頻度を選ぶことが可能です。ただ、スケジュールを設定できるのはカスタムスキャンのみとなっています。参考までに、ノートンとTotalAVなら、すべての種類のスキャンをワンクリックでスケジュール設定できます。
まとめると、Bitdefenderのマルウェアスキャナは業界トップクラスでしょう。高速で、デバイスの動作が遅くならず、マルウェア検出率はパーフェクトでした。軽量でパワフルなウイルススキャナをお探しなら、Bitdefenderがおすすめです。
リアルタイム保護
驚きではありませんが、Bitdefenderのリアルタイム保護(Bitdefender Shield)は優秀でした。ファイル、メールの添付ファイルを開く直前にスキャンを行う機能です。Bitdefender Shieldのデフォルト設定では、次の項目がスキャンに含まれます。
- 潜在的に迷惑なアプリケーション。ほかのアプリに隠されているソフト(フリーウェア)。
- ネットワーク共有。デバイスのリモートネットワークに関する問題。
- ブートセクタ。起動プログラムの実行順序を変更する可能性のある脅威。
- 新しいファイルと変更されたファイルのみ。新規ファイルと変更されたファイルに潜む脅威。
- キーロガー。キー入力を記録するマルウェア。
- ほか多数…
大半のユーザーは、デフォルト設定で十分でしょう。しかし、上級ユーザーはリアルタイム保護の設定を変更して、アプリケーションやスクリプト、アーカイブなどもスキャンできます。また、上記のオプションをスキャンから除外することも可能です。
Bitdefenderのリアルタイム保護を試したところ、ダウンロードしようとしたマルウェアファイルがすべてブロックされました。実験として、マルウェアに感染した実行ファイル(.exe)、テキストファイル(.txt)、圧縮フォルダ(.rarファイル)を約100個ダウンロードし、Androidデバイスから別のPCに対してネットワーク攻撃を実行しました。Bitdefender Shieldはこれらのファイルを瞬時に検出し、隔離フォルダに移動してくれました。
まとめると、Bitdefenderのリアルタイム保護は感心に値します。ノートンなどの他社製品も、リアルタイムのマルウェア検出率は同レベルですが、Bitdefenderのリアルタイムスキャナは設定オプションが他社より多いのがポイントです。
フィッシング対策・ウェブ保護
Bitdefenderのフィッシング対策は、検出率がパーフェクトでした。Webサイトにアクセスする際、Bitdefenderのフィッシング対策機能がブラックリストに登録されている危険サイトのデータベースと照合し、一致した場合はサイトへのアクセスがブロックされます。Bitdefenderのフィッシング対策の性能を調べるため、多数のフィッシングサイトにアクセスを試みたところ、すべての危険サイトがブロックされました。ChromeやFirefoxだけでなく、Pandaやカスペルスキーなどのフィッシング対策ツールさえ、Bitdefenderほど多くの不正サイトは検出できませんでした。
Bitdefenderは通知画面もありますから、どのサイトがなぜブロックされたのか確認できます。誤検知があった場合、例外リストに追加しやすいわけです。Bitdefenderなら、ワンクリックで安全なサイトをホワイトリスト(例外)に追加できます。一方、ノートンなどのセキュリティソフトの場合、設定や高度なプロトコルを探さなければならず、面倒です。ただし、「間違いなく信用できる。マルウェアは絶対に潜んでいない」と自信を持って言えなければ、サイトをホワイトリストに登録してはいけません。
Bitdefenderのウェブ保護は、危険なWebページへのアクセスも防ぎます。ほかにも、検索結果に危険サイトが含まれないか確認したり、暗号化されたサイトをスキャンしたり、サイトに詐欺コンテンツが含まれないかチェックしたりしてくれるのです。
Bitdefenderのフィッシング対策はとても優秀で、ほかにもさまざまなネットの脅威を撃退します。他社製品より多くのフィッシングサイトをブロックできただけでなく、サイトをホワイトリストに登録したり、ウェブ保護の設定を変更したりするのも簡単です。
ファイアウォール
Bitdefenderのファイアウォールはカスタマイズ性が高く、ネットワークが送受信するデータをモニタリングしてくれます。サイバー犯罪者がWi-Fiネットワークに不正侵入し、マルウェアを拡散するのを阻止できるわけです。
ファイアウォールには、さまざまな便利機能が備わっています。例えば、ポートスキャン保護、パッシブ検出モード、ステルスモードなどがあります。大半の機能はきちんと動作し、上級ユーザーは大満足だと思います。Bitdefenderのファイアウォールは設定を変えなくてもOKなので、初心者も安心です。WindowsやMacに内蔵されているファイアウォールよりしっかり保護してくれます。
Bitdefenderのファイアウォールの実力試しとして、筆者のデバイスに対して複数のネットワーク攻撃をシミュレーションした結果、Bitdefenderは大半をブロックできました。また、オンラインポートスキャナを使ってサービスポートをスキャンしたところ、ポートにアクセスしたり、情報を取得したりすることは一切できませんでした。つまり、ハッカーがネットワークの脆弱性につけ込んで侵入しようとしても、パソコンから情報は一切公開されないということです。
アプリがネットワークに侵入しようとした場合、Bitdefenderのファイアウォールは3つの方法で対処します。
- 自動 — アプリケーションを許可するか、ブロックするかという判断をBitdefenderが自動的に行います。
- 許可 — アプリケーションがインターネットに接続することを許可します。
- ブロック — アプリケーションがインターネットに接続するのをブロックします。
デフォルトで、Bitdefenderのファイアウォールは「自動」に設定されています。大半のケースでは、これが最適な設定でしょう。ファイアウォールの設定を「許可」にした場合、悪意のあるプログラムがインターネットに接続する恐れがあります。「ブロック」は、「マルウェア脅威に感染してしまった。ネット上にマルウェアが拡散するのを防ぎたい」という状況しか役立ちません。
Bitdefenderのファイアウォールを「アラート」モードに切り替えるスイッチもあります。アラートモードでは、アプリがインターネットに接続しようとするたびにポップアップ通知が表示されます。正直なところ、この機能はあまり役立ちません。アプリごとにインターネットアクセスを許可するか判断したい場合は便利かもしれませんが、面倒ですし、「どのアプリが許可を求めているか分からない」ということも多々ありました。
AVGの場合、アプリがインターネットアクセスの許可を求める際に画面が表示されます。アプリケーションのパスだけでなく、アイコンも確認できるので、どのアプリなのかすぐに分かるのです。とは言え、Bitdefenderはアプリごとにファイアウォールのルールを作成しやすいのが良いと思いました。ファイアウォールの「ルール」タブで「ルールを追加」をクリックし、カスタムルールを適用したいプログラムを参照して、そのプログラムの権限を設定するだけです。
最後に、Bitdefenderのステルスモードをオンにすると、ネットワーク内外のデバイスが自分のデバイスを検出できなくなります。つまり、ステルスモードを有効にした場合、ワイヤレスプリンターやスマホ、IoTデバイスは自分のデバイスとやり取りできなくなるはずですが、検証ではあまりうまくいきませんでした。例えば、ステルスモードを有効にしても、ワイヤレスプリンターに文書を送信できたのです。また、自分のパソコンでPlexサーバをホスティングし、Plexを通してテレビで映画を視聴しようとしたところ、再生されました。パソコンがスマートテレビと通信できてしまったということです。
とは言え、全体的にBitdefenderのファイアウォールはきちんと動作します。ネットワークを通したマルウェア攻撃をブロックでき、使い方も設定も簡単で、WindowsとMacに内蔵されているファイアウォールより安全です。
システム最適化ツール
Bitdefenderのワンクリックオプティマイザーは、単純でありながらも便利な最適化ツールで、パソコンの空き容量を増やすのに有用です。システムスキャンを行い、不要ファイルを削除できます。ただ、TotalAVなどの他社製品と比べると、できることは少なめです。
Bitdefenderで次のような不要ファイルを削除できます。
- 一時ファイル
- Windowsの不要ファイル
- ごみ箱内のファイル
- 破損したレジストリアイテム
- ブラウザの履歴
試したところ、PCの空き容量を1.3 GBも増やせました。システム最適化ツールが充実した他社製品もありますが、必ずしもディスクの空き容量を大幅に増やせるとは限りません。
しかし、Bitdefenderの最適化ツールは残念なデメリットがあります。例えば、「最適化」をクリックする前に検出された問題を確認するよう勧められますが、「詳細を表示」をクリックしても問題を確認できなかったのです。レジストリ内に破損したソフトウェアが1つ発見されたのですが、ファイル名と日付を確認できませんでした。ファイルの場所だけでなく、何を削除しようとしているのか具体的に知りたかったので、詳細が表示されなかったのは残念でした。
また、Bitdefenderのシステム最適化ツールは、機能が少なめです。参考までに、Aviraは起動最適化ツールやゲームブースター、ドライバアップデーター、バッテリー最適化ツールがありますし、TotalAVの最適化ツールには、起動マネージャー、アプリアンインストーラ、重複ファイル検出機能が備わっています。
とは言え、Bitdefenderの最適化ツールを実行したところ、「PCの動作が速くなった」と感じました。ワンクリックで空き容量を増やすというシンプルな仕組みはデメリットもあり、他社ほど多機能ではないものの、全体的に非常に便利で、効果的です。
安全なウェブブラウザ(Safepay)
Bitdefenderの安全なウェブブラウザ「Safepay」は、オンライン決済を行う際に個人情報を守るもので、主に次のような効果があります。
- ハッカーに遠隔からデスクトップにアクセスされるのを防ぎます。
- 画面のスクリーンショットを撮影するのを阻止します。
- Bitdefenderのパスワードマネージャーでパスワードを守ります。
- 仮想キーボードを使用することで、キー入力を記録されるのを防止します。
- 内蔵のVPNをオンにして、データの安全を保ちます(1日あたり200MBまで)。
検証でSafepayはとても優秀でした。Safepayの安全機能を画像で紹介したかったのですが、スクリーンショット防止機能が備わっているので、スクリーンショットを撮れませんでした。自分がブラウザのスクリーンショットを撮れなければハッカーもできませんから、きちんと安全機能が動作していることが分かりますね。また、Safepayを使用中、パスワードや2FA(2要素認証)コードもコピー&ペーストできませんでした。ログイン情報の入力画面が表示されると、仮想キーボードが表示されるもで、キーロガーからパスワードや個人情報を守れます。
しかし、Safepayについて不満点もいくつかありました。例えば、ページの読み込みがかなり遅く、HD画質の動画は再生できません。普段使っているブラウザの代わりにSafepayを使うことは想定していないようです。とは言え、SafepayはカスペルスキーのSafe Moneyブラウザより高速で、ネット上で仕事をしたり、オンラインショッピングをしたりする場合、Safepayはプライバシー強化ツールとして非常に役立ちます。
まとめると、SafepayとBitdefenderの優れたウェブ保護ツールを併用することで、安全を強化できます。オンライン決済を行う際に個人情報を守りたい場合、Safepayを使うのがベストでしょう。
パスワードマネージャー
Bitdefenderのパスワードマネージャーは便利ですが、Dashlaneや1Passwordなど、単体のパスワード管理ツールほど優秀とは言えません。Bitdefenderのパスワードマネージャーには、2要素認証(2FA)やパスワードの共有機能などはないからです。しかし、パスワード管理ツールに期待したい、次のような特徴があります。
- 高度な暗号化
- マルチデバイス間での同期
- パスワード生成ツール
- パスワード保存数は無制限
- 支払い情報の保存
- 自動保存と自動入力
- パスワードボルトの安全確認
Bitdefenderプレミアムセキュリティでは、パスワードマネージャーを無料で利用できるものの、下位プランにはパスワードマネージャーの90日間無料トライアルしか含まれず、トライアル終了後も使いたい場合は年間手数料が発生します。
パスワードマネージャーのアドオンはとても安いので、シンプルかつ安全なパスワード管理ツールをお探しの方はBitdefenderのパスワードマネージャーを検討すると良いでしょう。デスクトップアプリはありませんが、AndroidとiOSではモバイルアプリが使えます。また、ChromeやFirefox、Microsoft Edge、Safariなどの主なブラウザでは、ブラウザ拡張機能も利用可能です。
Bitdefenderのパスワードマネージャーには、パスワードと個人情報を保存できます。例えば、住所や電話番号、クレジットカード番号、銀行口座情報、メールの認証情報、ソフトのライセンスキーとログイン情報、Wi-Fiのパスワードなどを安全に管理できます。
自動入力と自動保存機能を試したところ、うまくいきました。デフォルトではクリックせずに情報が自動入力されますが、設定を変更して、クリックしなければ自動入力されないようにすることもできます。また、新しいサイトにログインする際に自動保存機能が動作し、ログイン情報を保存するか聞かれました。
Bitdefenderのパスワード生成ツールはまあまあでしょう。最大32文字のパスワードを生成できるのは良いですが、一流のパスワード管理ツールのほうが文字数の多いパスワードを生成できます。例えば、LastPassなら、最大99文字のパスワードを生成できます。
一番気に入ったのは、Bitdefenderのパスワードボルト審査ツール(セキュリティレポート)です。パスワードの安全性をまとめたもので、分かりやすいと思いました。脆弱なパスワード、長期間変更していないパスワード、使い回したパスワード、漏えいしたパスワードが保存されていないか確認できます。Dashlaneのように、ダークウェブにログイン情報が漏えいしていないか継続的にスキャンする「ダークウェブモニタリング」も欲しいところですが、Bitdefenderのセキュリティレポート機能はシンプルなのが良いと思いました。
まとめると、Bitdefenderのパスワードマネージャーは直感的かつ簡単に設定できますが、1PasswordやKeeperなど、単体のパスワード管理ツールほど優れているとは言えません。単体サービスには、パスワードの共有や審査、ダークウェブモニタリング、2要素認証、生体認証によるログインなど、幅広い特徴があり、価格もBitdefenderのパスワードマネージャーとほぼ同じです。とは言え、「高度な機能がなくても、使いやすいパスワード管理アプリが欲しい」という場合、Bitdefenderプレミアムセキュリティに含まれるパスワードマネージャーを使うのがおすすめです。
Bitdefender VPN
BitdefenderのVPNは、業界でも人気度の高いVPNプロバイダ、「Hotspot Shield」のサービスを使用しています。BitdefenderのVPNはHotspot Shieldよりサーバー設置国数が少なく、機能も少なめですが、基本はしっかりカバーしています。データは強固な256ビットAES暗号化で保護され、ノーログポリシーがあり、キルスイッチが備わっています。
Bitdefenderのほとんどのプランで無料版VPNが利用できますが、あまり優れていません。Bitdefenderの無料VPNでは、現在地をもとにランダムなサーバーに接続されるため、必ずしも高速とは限らず、1日あたりのデータ通信量が200MBに制限されているので、YouTube動画を1本見るのもぎりぎりです。
Bitdefenderのプレミアムセキュリティプランにアップグレードするか、セキュリティソフトとは別にBitdefenderのVPNを購入すると、データ通信量が無制限になり、日本など世界中に設置された4,000台以上のサーバーから選べるようになります。また、Bitdefenderの有料版VPNはセキュリティソフトに付属のVPNのなかでも最速クラスで、単体VPNサービスと比べても速いほうです。
Bitdefender VPNのアメリカ国内サーバーに接続する前と後で通信速度を比較しました。
すばらしい結果です。ご覧の通り、通信速度はほとんど変わらず、インターネットの閲覧、動画の視聴、Torrentファイルのダウンロードなどを問題なく行えました。Pandaのように、ダウンロード速度が半減してPingもかなり高くなるVPNもありますから、それと比べるとかなり高速です。
残念ながら、BitdefenderのVPNは動画の視聴には向きません。検証でNetflixなどの主な動画配信サービスを試したのですが、VPNの使用が検出されてしまい、コンテンツライブラリにまったくアクセスできませんでした。動画の視聴に適したVPNをお探しの方には、ExpressVPNがおすすめです(ストリーミングにおすすめのVPNも併せてご覧ください)。
一方、BitdefenderのVPNはTorrentに向いています。P2P共有アプリを起動した際、VPNに自動接続するよう設定することも可能です。
まとめると、BitdefenderのプレミアムVPNは良いと思いました。単体VPNほど多機能ではないものの、予想以上に高速で、データが暗号化されるのでブラウジング時の安全を強化できます。
ペアレンタルコントロール
BitdefenderのペアレンタルコントロールはWindows、macOS、Android、iOSアプリとしてダウンロードできます。PCとAndroidでペアレンタルコントロールアプリを試しました。設定するには、デスクトップアプリで「プライバシー」タブを開き、ペアレンタルコントロールパネルで「設定」をクリックします。すると、Bitdefenderのオンラインポータル「Bitdefender Central」が開き、子どもを追加するよう求められました。次に、子どものデバイスにBitdefenderのペアレンタルコントロールアプリをインストールする必要があります。モバイルアプリにさまざまな権限を与える必要がありましたが、この作業は数分で完了しました。
Bitdefenderのペアレンタルコントロールアプリを使うと、子どものインターネットとデバイスの利用状況を管理できます。次のことが可能です。
- 1日あたりのデバイス使用時間の制限(iOSでは利用できません)
- デバイスを使用できる時間帯の設定
- アプリの管理(許可・ブロック)
- 特定のサイトまたはカテゴリへのアクセスの許可または禁止(iOSでは利用できません)
- 子どもの居場所の確認、安全なエリアと制限されたエリアの設定(AndroidとiOSのみ)
- 連絡先リストに最後に追加した連絡先の確認(AndroidとiOSのみ)
Bitdefenderペアレンタルコントロールアプリの機能はすべて正常に動作しました。試しに友人のデバイスにアプリを設定し、ブラックリストに登録されたサイトにアクセスしようとしたところ、それらのサイトへのアクセスがすべてブロックされました。
残念ながら、子どもはアプリを通して特定のサイトへのアクセス許可を保護者に求めることはできません。これは、Bitdefenderのウェブフィルタリング機能の唯一の欠点でしょう(ノートンなら、子どもは保護者にアクセス許可を求めるリクエストを送信できます)。しかし、友人のスマホの使用時間とアプリの使用時間を確認できたほか、彼女の現在地も正確に特定できました。また、指定した場所に到着したときに友人に通知を送ってもらえるのはすばらしいと思いました。セキュリティソフトに付属のペアレンタルコントロールとしては珍しい機能です。
まとめると、Bitdefenderのペアレンタルコントロールは子どもをしっかり守るのに役立つツールで、他社サービスと比べてもかなり優秀です。オンラインだけでなく、オフラインでも子どもの安全を確保したい場合、Bitdefenderペアレンタルコントロールアプリは重宝すると思います。
Webカメラ・マイクの保護
Bitdefenderなら、PCのWebカメラとマイクの安全を強化できます。ハッカーにWebカメラを通して覗き見されたり、マイクで会話を盗み聞きされたりするのを防げます。ノートンも似たような安全機能がありますが、マカフィーなどにはありませんから、Bitdefenderでカメラとマイクを守れるのはすばらしいでしょう。
検証で、BitdefenderはノートパソコンのアプリがWebカメラとマイクにアクセスしようとしていないかモニタリングし、不正にアクセスしようとした際に通知されました。アプリがアクセスしようとするたびに通知が届き、アクセスを許可するか拒否するか選べました。
特に気に入ったのは、Webカメラとマイクへのアクセス権限を変えられること。ZoomやSlackなど、安全と判断したアプリはアクセスを許可できます。もちろん、ブラウザによるアクセスを完全にブロックしたり、Webカメラとマイクへのアクセスを完全にブロックしたりすることも可能です。
まとめると、BitdefenderのWebカメラとマイクの保護機能はすばらしいと思いました。設定はとても簡単で、便利な設定オプションもあります。ポップアップ通知が表示されるので、どのアプリがアクセスしようとしているか確認しやすくなっています。
ランサムウェア修復
Bitdefenderの「ランサムウェア修復」は、システム上にランサムウェアが検出された際に、ファイルを自動的に保護するように設計されています。ランサムウェアがファイルを暗号化するのを防ぎ、ランサムウェア攻撃の被害に遭った場合、暗号化されたファイルを復元する役割を果たします。隔離された環境でランサムウェア攻撃のシミュレーションを何度か行ったところ、ランサムウェア修復はほとんどのケースで効果を発揮したものの、ファイルを復元できないこともありました。とは言え、Malwarebytesのランサムウェア対策は、ランサムウェア攻撃を6割程度しかブロックできず、ファイルをまったく復元できなかったため、Bitdefenderのほうが優れています。
「復元されたファイル」ボタンをクリックすると、復元されたすべてのファイル(動画や写真など)が一覧に表示されました。復元されたファイルのほとんどにアクセスでき、元の情報は破損していませんでした。しかし、正常に復元されなかったファイルもいくつかあったのは心配です。
失われてしまったファイルがいくつかあったものの、この機能はとても便利だと思います。ランサムウェア修復ですべてのファイルを復元できれば理想的ですが、ほぼすべてのファイルをきちんと復元でき、他社のセキュリティソフトはこのような機能を提供していませんから、文句は言えません。
プロファイル
Bitdefenderのプロファイル機能(Windowsのみ)では、好みに合わせてソフトの利用体験をカスタマイズでき、PCの使用状況に応じてパフォーマンスを向上できます。例えば、仕事をする際は「仕事プロファイル」をオンにすると、システムの動作が遅くなりにくくなり、メールのセキュリティを強化できます。また、ゲームをプレイする際は「ゲームプロファイル」を選ぶことでシステムのパフォーマンスを改善し、ゲーム中の通知を最小限に抑えられます。プロファイルごとに設定を調整することも可能です。
利用可能なプロファイルは次のとおりです。
- 仕事プロファイル:メールの安全を強化し、デバイスの動きが遅くなりにくくします。
- 動画プロファイル:ポップアップ通知を停止し、バックグラウンドプロセスを最小限に抑えます。
- ゲームプロファイル:ゲーム中にシステムのパフォーマンスを最適化します。
- 公共Wi-Fiのプロファイル:保護を有効にして、公共Wi-Fiホットスポットを利用する際に安全を確保します。
- バッテリーモードプロファイル:ソフトの設定を変更し、ノートパソコンのバッテリーを長持ちさせます。
プロファイル機能はとても便利と思いました。ノートンのゲームモード(ゲーム中にシステムのパフォーマンスを改善する機能)のように、似たようなツールを提供しているセキュリティソフトもありますが、Bitdefenderはプロファイルの種類が多く、各プロファイルの設定を変更しやすいのが気に入りました。使用中のアプリに応じてプロファイルが変わるように設定することもできますが、手動でプロファイルを切り替えることも可能です。検証中、この機能を使うことで、CPU使用率の高いプログラム(Adobe Illustratorなど)を使う際にデバイスのパフォーマンスを大幅に向上できました。また、ノートパソコンでNetflixを視聴するときに動画プロファイルを試したところ、再生が妨げられたり、デバイスの動作が遅くなったりすることはありませんでした。
個人情報の盗難対策
個人情報の盗難を防ぎたい場合、Bitdefenderは2024年におすすめの製品の1つですが、アメリカのユーザー限定であり、単体で購入することになります。Bitdefenderは、データ漏えいやダークウェブ上の掲示板をモニタリングしたり、なりすましアカウントがないかSNSをスキャンしたり、信用報告書のライブモニタリングを行ったりするなど、多層的なアプローチで個人情報を保護してくれます。
住所、社会保障番号、運転免許証番号、メールアドレス、電話番号など、Bitdefenderで最大100の個人を特定できる情報(PII)をモニタリングできるのはとても感心しました。BeenVerifiedやWhite Pages、Private、Spokeoなどのデータブローカーから自分の個人情報を削除してもらえるのは特に気に入りました(データブローカー:個人情報を収集し、広告事業者やマーケティング企業に売却する販売する会社)。しかし、ノートンの個人情報盗難防止サービスでも、同じことが可能です。
Bitdefenderは「ライブ信用報告モニタリングシステム」の提供も開始し、2段階の保護が可能です。TotalAVやノートンと同様、Bitdefenderは主な信用調査機関(Experian、TransUnion、Equifax)をモニタリングしてくれるので、個人情報が不正利用されていないか把握できます。これには、金融ローンや住宅ローンの契約、賃貸契約などが含まれます。
Bitdefenderの「Identity Theft Protection Standard」では、信用調査機関3社のうち1社をモニタリングし、個人情報が悪用された場合にすぐに通知し、復旧を支援してくれます。「Identity Theft Protection Premium」プランにアップグレードすると、200万ドルの保険、全3社の信用調査機関のモニタリング、USPSに対する住所変更届と法定手続きのモニタリング、最大5万ドルのランサムウェアとマルウェア保険を受けられます。
まとめると、Bitdefenderの個人情報盗難対策は市場トップクラスでしょう。100もの個人情報が悪用されていないか把握でき、ライブモニタリングや復旧支援など、包括的な信用情報モニタリングサービスとなっています。
盗難対策
検証で、Bitdefenderの盗難対策はとても高性能でした。業界トップクラスの盗難対策機能と言っても過言ではありません。ただ、現在はWindowsとAndroidでしか利用できないため、MacとiOSでも使えるようになれば上出来です。iOSにはLookoutの盗難対策がおすすめですが、MacBookを盗難から守りたい場合、MacBookに内蔵されている盗難対策機能を使うのがベストでしょう。
Bitdefenderの盗難対策では、デバイスの位置を確認する、アラート音を鳴らす、ロックする、現在地を特定する、すべてのデータを消去するなどが可能です。設定は驚くほど簡単です。アカウントにログインし、画面が表示されたら「オンにする」タップするだけで盗難対策が有効になりました。
デバイスを探す機能を試したところ、デバイスの現在地を正確にピンポイントできました。盗難対策ダッシュボードを開くと、地図上にスマホの位置を示す点が自宅の通りに表示されたのです。Androidアプリでも、位置を確認したり、盗難対策の設定を変更したりできます。
「アラート」機能を試したところ、悲鳴のような不快な音が大音量で鳴り響きました。「ロックする」という機能では、デバイスをロックし、あらかじめ設定したロックコードを入力しなければデバイスが使えなくなりました。パスコードが設定されていないHPのノートパソコンではロックコードを設定できましたが、Androidでロック機能を試したところ、デバイスのPINコードを入力するだけでロックを解除でき、あまり役立ちませんでした。
まとめると、Bitdefenderの盗難対策ツールは優秀です。設定はとても簡単で、紛失したデバイスの現在地を正確に特定できるほか、デバイスを遠隔からロックしたりデータを消去したりできるため、セキュリティを強化できます。マカフィーのように、盗難対策ツールがないセキュリティソフトもありますから、デバイスが盗まれるのが心配ならBitdefenderを選ぶと良いでしょう。WindowsとAndroidデバイスだけでなく、MacやiOSでもBitdefenderの盗難対策機能が使えるようになればさらに良いと思いますが、現時点でもほとんどのユーザーは満足するはずです。
追加機能
Bitdefenderは2024年に最も多機能なインターネットセキュリティソフトの1つで、前述した紹介した機能のほかにも、次のような幅広いツールが備わっています。
- Wi-Fi保護。Wi-Fiネットワークとルーターを分析し、潜在的な脅威を検出します。
- トラッキング対策。広告やその他の目的のためにウェブトラッカーがデータを収集するのを防ぎます。
- ファイルシュレッダー。ファイルやフォルダを完全に削除します。
最も便利なのは「ファイルシュレッダー」です。筆者のデバイスには不要ファイルが数千個も保存されているのですが、その中には機密情報を含むファイルもあります。Bitdefenderのファイルシュレッダーを使ったところ、不要ファイルが完全に削除され、ハッカーはファイル復元ソフトを使っても復元できません(普通に削除されたファイルは、適切なツールを使うと簡単に復元できてしまいます)。他社のセキュリティソフトは、必ずしもこのような機能があるとは限りません。マカフィーはファイルシュレッダーが搭載されていますが、ほかの多くの機能はBitdefenderほど優れていません。
まとめると、Bitdefenderは本当に多機能なセキュリティソフトです。ありとあらゆるインターネットセキュリティツールが搭載されたウイルス対策ソフトをお探しの方は、Bitdefenderを選ぶと良いでしょう。
Bitdefenderのプランと価格
Bitdefenderは複数の料金プランがあり、1~100台のデバイスをカバーできますが、すべての主要OS(Windows、Mac、Android、iOS)で使えるのは「トータルセキュリティ」と「プレミアムセキュリティ」だけです。Bitdefenderの法人向けパッケージ「GravityZone Premium」は、Linuxにも対応しています。
大半のプランには制限付きVPNが含まれます(VPNのデータ通信量が無制限なのは「プレミアムセキュリティ」のみです)が、チェックアウトの際に単体VPNより安い「BitdefenderプレミアムVPN」を購入することもできます。
Bitdefenderは無料のWindowsプランとMacプランを提供していますが、有料版と比べ、機能などが限られています。Bitdefenderの有料プランはどれも低コストで、30日間返金保証もありますから、安心して体験できます。BitdefenderのWindowsアプリは日本語に対応しています。
Bitdefenderの全プランを表にまとめました。
Antivirus Free for Windows | Virus Scanner for Mac | アンチウイルスプラス | インターネットセキュリティ | トータルセキュリティ | プレミアムセキュリティ | GravityZone Premium | |
対応OS | Windows | Mac | Windows | Windows | Windows、Mac、Android、iOS | Windows、Mac、Android、iOS | Windows、Linux、Mac |
価格 | 無料 | 無料 | $29.99 / 年 | $42.49 / 年 | $49.99 / 年 | $79.99 / 年 | $286.99 / 年 |
デバイス数 | 1 | 1 | 3 | 3 | 5 | 10 | 100+ |
マルウェアのスキャンと削除 | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
リアルタイム保護 | ✅ | ❌ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
ランサムウェア対策 | ✅ | ❌ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
ウェブ保護 | ✅ | ❌ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
Wi-Fi保護 | ❌ | ❌ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ | ❌ |
パスワードマネージャー | ❌ | ❌ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ | ❌ |
VPN(200 MB/日) | ❌ | ❌ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ | ❌ |
VPN(データ通信量は無制限) | ❌ | ❌ | ❌ | ❌ | ❌ | ✅ | ❌ |
ファイアウォール | ❌ | ❌ | ❌ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
Webカメラとマイクの防御 | ❌ | ❌ | ❌ | ✅ | ✅ | ✅ | ❌ |
ペアレンタルコントロール | ❌ | ❌ | ❌ | ✅ | ✅ | ✅ | ❌ |
システム最適化ツール | ❌ | ❌ | ❌ | ❌ | ✅ | ✅ | ❌ |
Bitdefender Free Antivirus for Windows:Windows向けの基本的な無料プラン
BitdefenderはWindows専用の無料アンチウイルスプランを提供していますが、利用できるのはプレミアム版の一部機能のみです。Bitdefenderの高度なマルウェア対策エンジンとオンライン保護は含まれるものの、それ以外のツールはほとんど使えません。
マルウェア対策エンジンとオンライン保護機能は、Bitdefenderの有料版とまったく同じですが、ルートキットなどの高度なマルウェアを削除するための「レスキュー環境」は含まれません。ネットワーク脅威対策、ランサムウェア修復(ランサムウェアによって破損されたファイルの復元)、Safepay、VPNなど、すべてのセキュリティ機能を利用したい場合、Bitdefenderの有料プランを購入しましょう。
Bitdefender Virus Scanner for Mac:Mac向けの基本的な無料プラン
BitdefenderはmacOS向けの無料版を提供していますが、かなり単純です。単なるオンデマンドウイルススキャナであり、Macにウイルスとマルウェアが潜んでいないかスキャンすることしかできません。
Bitdefenderの無料Mac版ソフトでは、有料版と同じ高度なマルウェア対策エンジンが使えるため、2024年におすすめの無料Macセキュリティソフトに選ばれています。しかし、リアルタイム保護は含まれないため、既存のマルウェアを削除するためには役立つものの、ウイルス感染を防止することはできません。
Bitdefenderアンチウイルスプラス:基本的な有料プラン(Windowsのみ)
Bitdefenderアンチウイルスプラスは、リアルタイムのマルウェア対策とウェブ保護のほかに、次の特徴があります。
- ランサムウェアの多層防御
- オンライン決済時に安全を確保するブラウザ
- パスワードマネージャー
- Wi-Fi保護
- VPN(データ通信量は1日当たり200MBまで)
- トラッキング対策
- ユーザープロファイル(ゲームモードなど)
- ファイルシュレッダー
- 24時間年中無休のカスタマーサポート
Bitdefenderアンチウイルスプラスはエントリーレベルのウイルス対策プランとしておすすめですが、ファイアウォールなど、必須のセキュリティ機能をいくつか欠いています。また、Windowsパソコンでしか利用できません。ノートンとTotalAVなら、どのプランでもすべてのOSをカバーできますから、残念です。
Bitdefenderアンチウイルスプラスは$29.99 / 年で、他社の下位プランより安いうえ、30日間返金保証付きです。
Bitdefenderインターネットセキュリティ:高度な有料プラン(Windowsのみ)
Bitdefenderインターネットセキュリティは、アンチウイルスプラスの全機能のほか、次のような追加機能も含まれます。
- ファイアウォール
- 迷惑メール対策フィルタ
- Webカメラとマイクの防御
- ペアレンタルコントロール
Bitdefenderインターネットセキュリティは$42.49 / 年で、コスパ抜群ですが、PC専用です。マルチプラットフォームに対応していないのは大きな欠点でしょう。AndroidやMac、iOSデバイスでBitdefenderを使いたい場合、上位プランを購入しなければなりません。
ですが、Windowsユーザーにとっては、Bitdefenderインターネットセキュリティは業界トップクラスのセキュリティソフトと言えます。最大3台のPCをカバーでき、多機能で、価格も手頃です。
Bitdefender トータルセキュリティ:高品質な有料プラン(すべてのOS)
Bitdefenderトータルセキュリティは、インターネットセキュリティの機能のほかに、次の特徴があります。
- Macも保護
- Android・iOS向けのモバイルアプリ
- システム最適化ツール
- 盗難対策
Bitdefenderトータルセキュリティを選んでも、PCで使える機能はインターネットセキュリティとほぼ同じです(追加されるのはワンクリックシステム最適化ツールのみ)。とは言え、トータルセキュリティではBitdefenderの優秀なモバイルアプリが使えますから、モバイルデバイスを保護したい場合におすすめです。
ノートンなどの一流セキュリティソフトと違い、トータルセキュリティではデータ通信量が無制限のVPNは使えませんが、最大5台のデバイスで幅広いセキュリティ機能が使えますし、価格はわずかです。セキュリティソフトとは別にVPNサブスクリプションを購入したとしても、Bitdefenderのプレミアムパッケージは他社より低コストです。
Bitdefenderプレミアムセキュリティ:Bitdefenderの全機能とデータ通信量が無制限のVPNが使える
Bitdefenderプレミアムセキュリティでは、VPNのデータ通信量とサーバーの制限がないうえ、多機能パスワードマネージャーが含まれ、最大10台のデバイスをカバーできます。「Bitdefenderのすべての機能を使いたい。複数台のWindows、macOS、Android、iOSデバイスを保護したい」というユーザーにおすすめです。
Bitdefenderプレミアムセキュリティはなので、Bitdefenderのほかのプランと比べると割高ですが、高性能VPNが含まれることを考えると、値段相応の価値はあると思います。また、ほかのパッケージと同じように、Bitdefenderプレミアムセキュリティも安心の30日間返金保証の対象なので、リスクなしで体験できます。
Bitdefender GravityZone Premium:企業レベルのセキュリティ
BitdefenderのGravityZone Premiumプランは、高度な機能が豊富で、ビジネスやエンタープライズ向けです。次のような特徴があります。
- ネットワーク脅威の防止
- リスク分析
- ランサムウェアの防止・復旧
- メールのセキュリティ
- サンドボックス解析
- Linuxのサポート
- ほか多数…
GravityZone Premiumでは、Windows、Linux、Macをカバーでき、WindowsとLinuxベースのサーバーにも対応しています。
このパッケージは家庭用ではありませんが、自宅でLinuxを使っている場合はBitdefender GravityZoneでシステムを防御すると良いかもしれません。
Bitdefender GravityZone Premiumはで、セキュリティ機能が豊富であることを考えると、それなりにオトクと言えます。GravityZone Premiumのライセンスは5~100個購入できますが、より多くのライセンスが必要な場合はBitdefenderに問い合わせて、カスタム料金の見積もり依頼をしましょう。
GravityZone Premiumは無料で30日間体験でき、Bitdefenderのポリシーには購入から30日以内であれば返金を希望できると書かれています。
Bitdefenderのモバイルアプリ
トータルセキュリティとプレミアムセキュリティではBitdefenderのiOS・Androidアプリが利用できますが、モバイル専用プランもあります。
Androidアプリは安全かつ多機能で、使いやすいと思いました。Androidにおすすめのセキュリティソフトで上位にランクインしているほどです。次のような特徴があります。
- ウイルススキャナ
- ウェブ保護(Chrome、Firefox、Opera、Braveなど)
- Autopilot(自動的に最適なセキュリティ設定を適用する機能)
- アプリロック
- アプリの不審な挙動を検出
- 盗難対策
- データ漏えいのモニタリング(メールのみ)
- VPN(データ通信量は1日あたり200MB。無制限のVPNの購入も可)
- スマートウォッチに対応
- 日本語に対応
BitdefenderのAndroidアプリはとても優れている一方、iOSアプリでできることは限られています。とは言え、iOSはマルウェアに強いので、iOS版セキュリティアプリは通常機能が少なめです。BitdefenderのiOSアプリは日本語に対応しており、ウェブ保護やデータ漏えいのモニタリング、詐欺アラート、無料VPNが含まれます。iOSデバイスではウェブ保護機能を使いこなすのに苦労しましたが、ほかの機能は正常に動作しました。脆弱性スキャナは、データ漏えいが発生していないか、iOSが最新バージョンにアップデートされているか確認してくれました。
iOSの詐欺アラートも良いと思います。スマホのカレンダーとテキストメッセージを自動的にスキャンし、悪意のあるリンクや不審な内容がないか知らせてくれます。危険なリンクを避けるのに役立ちます。
ただ、前述のとおり、Androidアプリのほうがウイルス対策機能が多く、優秀なマルウェアスキャナも搭載されています。検証では、Samsung Galaxyに複数のマルウェア検体をダウンロードしてから、スマホにBitdefenderのモバイル版アンチウイルスをインストールしました。Bitdefenderモバイルセキュリティを設定したところ、今すぐスキャンを実行するよう推奨されました。スキャンはわずか1分で完了し、スマホに入れておいた悪質なファイルがすべて検出されました。
特に感心したのは、App Anomaly Detection(アプリが不審な挙動をしていないか検出する機能)です。デバイス上のすべてのアプリを継続的にモニタリングし、不審な挙動があった場合に知らせてくれます。ほかのセキュリティソフトの場合、スキャンを行うのはアプリをダウンロードするときだけで、ダウンロード済みアプリが変更された際にスマホが危険にさらされる可能性があります。Bitdefenderのモバイルアプリは、デバイスで既に実行されているアプリも常にモニタリングしてくれます。iOSデバイスは制限があるため、この機能はAndroidでしか利用できないものの、安全を確保するのにとても役立ちます。
ウェブ保護もすばらしいと思います。実験として、Chromeのセキュリティフィルターをオフにしてから多数の不正サイトにアクセスしようとしたところ、Bitdefenderのウェブ保護がすべてのフィッシングサイトをブロックしてくれました。Chromeに搭載されている保護機能が検出しなかったサイトもブロックされたのは驚きです。
「アプリロック」機能も良いと思いました。大切なアプリをロックし、4~8桁のPINコードまたは生体認証を使わなければロック解除しないように設定できます。さらに、スマホまたはロックされたアプリのロック解除に失敗した場合、自動的に写真を撮ることもできます。何者かが勝手にデバイスを使うのを防げるわけです。試しに、Facebookアプリをロックし、わざと間違ったPINコードを3回入力したところ、Bitdefenderのオンラインポータルに「モバイルで誰かがFacebookのロックを解除しようとしました」という通知が届きました(私の顔写真も撮られていました)。さらに、PINコードを入力しているのを他人に見られてもコードを知られないように、数字の位置がランダムに変わるように設定することもできます。これはとても気に入りました。
Bitdefenderの盗難対策も大満足です。Bitdefenderのオンラインポータルから、アラートを送信したり、デバイスにロックをかけたり、犯人の写真を撮ったり、データを消去したりできます。この機能をWindows PCとAndroidのスマホで試したところ、どちらも正常に動作しました。
まとめると、Bitdefenderのモバイルアプリは業界トップクラスでしょう。ウイルス対策が優秀で、Androidではアプリが不審な挙動をしていないか検出できるのがユニークです。また、アプリロックや盗難対策など、とても便利な追加機能もいくつかあります。
Bitdefenderの使いやすさ・設定のしやすさ
これまでに多数のセキュリティソフトを検証してきましたが、Bitdefenderは最も設定しやすく、使い勝手の良いソフトの1つです。PCに設定し、使い始めるのに5分もかかりませんでした。アプリを起動すると、ソフトの使い方ツアーが始まり、今すぐスキャンを実行するよう推奨されました。
Bitdefenderのデスクトップダッシュボードは、シンプルで見やすいレイアウトです。大きなボタンとツールバーがあり、すべての機能をすぐに開けます。メイン画面には「クイックアクション」ボタンがあり、頻繁に使う機能をダッシュボードに簡単に追加できます。ホーム画面に表示できるクイックアクションは最大5個までですが、いつでも編集・変更できます。
Bitdefenderの主な機能と追加機能は、次の3つのタブに整理されています。
- 「保護」タブでは、ウェブ保護、脆弱性スキャン、ファイアウォール、ランサムウェア修復、スパム対策などのオン・オフを切り替えられます。各機能の設定を変更することもできますが、大半のユーザーはデフォルト設定のままでOKでしょう。
- 「プライバシー」タブでは、SafePayブラウザの起動、VPNの開始、パスワードマネージャーの利用、Webカメラ・マイク保護機能の設定、ブラウザへのアンチトラッカーの導入、ペアレンタルコントロールの利用などができます。
- 「ユーティリティ」タブには、ワンクリックオプティマイザー、ユーザープロファイル、ファイルシュレッダー、盗難対策があります。
デスクトップアプリでペアレンタルコントロールと盗難対策をクリックすると、Bitdefenderのオンラインポータル(Bitdefender Central)が開きます。プランで保護されているデバイスは、Bitdefender Centralを通して遠隔からスキャンすることも可能です。TotalAVなどのオンラインダッシュボードでは、遠隔スキャンはできませんから、Bitdefenderにこの機能があるのは本当にありがたいですね。
また、BitdefenderのAutopilot(オートパイロット・自動操作)機能を使うと、とても簡単にデバイスを保護できます。システム上に脅威や脆弱性などがないかスキャンし、問題が見つかったら通知せずに対処する機能です。Autopilotをオンにすると、マルウェアやネットワークの脅威を解決し、ソフトウェアを自動的にアップデートし、プライバシーの問題にも対処するほか、システムの安全を向上する方法も提案してくれます。このような理由から、Bitdefenderは最も使いやすいセキュリティソフトの1つと言えます。
まとめると、Bitdefenderのインターフェースは操作しやすい設計で、機能の多い「トータルセキュリティ」や「プレミアムセキュリティ」も、容易に使いこなせます。
Bitdefenderを使用中のパフォーマンスとシステムへの影響
Bitdefenderを実行中、パソコンのパフォーマンスにまったく影響しませんでした。前述のとおり、Bitdefenderはクラウド型なので、CPU使用率の高いアクティビティはクラウドで処理され、パソコンに負担がかかりません。パソコンの処理能力が低い場合は特に良いですが、ハイスペックなデバイスでも、Bitdefenderと同時に重いアプリケーションも実行できます(動画編集ソフト、ストリーミングサービス、オンラインゲームなど)。
Bitdefenderの検証では、メモリ(RAM)が16GB、プロセッサが2.1 GHzのパソコンを使いました。Bitdefenderがアイドル状態のときと各種マルウェアスキャンを実行中に、システムのパフォーマンスと影響を測定しました。結果はこちらです。
Bitdefenderがバックグラウドで実行中 | フルシステムスキャン中の平均値 | フルシステムスキャン中の最大値 | クイックスキャン中の平均値 | クイックスキャン中の最大値 | |
RAM(メモリ)の使用率 | 1.25% | 548 MB(3.4%) | 755 MB(4.58%) | 678 MB(3.8%) | 500MB(5%) |
CPU・プロセッサの使用率 | 30% | 30% | 82% | 3.25% | 6% |
ご覧のとおり、Bitdefenderがパソコンのメモリに大きな影響を与えることは一度もありませんでした。クイックスキャンとフルシステムスキャンを実行中も、メモリを約5%しか使用しなかったのです。プロセッサへの影響も、10%を上回ることはほとんどありませんでした。CPU使用率が急上昇することは何度かあったものの、長時間続いたわけではなく、影響を感じるほどではありませんでした。ノートンを使用中はCPU使用率が急上昇することは一度もありませんでしたが、全体的にBitdefenderはシステムのパフォーマンスにあまり負担をかけなかったのはすばらしいでしょう。
Bitdefenderのカスタマーサポート
Bitdefenderのカスタマーサポートセンターはとても優秀です。次のサポートがあります。
ライブチャット
Bitdefenderのライブチャットサポートは24時間体制で、すばらしいと思いました。サポートに数回問い合わせたところ、時間帯によらず、いつも数分以内に担当者に繋がりました。ノートンのライブチャットサポートは、担当者に繋がるのに最大20分もかかったため、Bitdefenderのほうがはるかに優秀です。
対応してくれたチャット担当者は製品知識が豊富で、感心しました。プランや料金だけでなく、技術的に難しい質問をしても詳しく回答してくれました。他社のライブチャット担当者とは違い、マニュアル通りの回答や曖昧な回答をすることはありませんでした。
Bitdefenderのライブチャットは英語のみですが、英語以外で問い合わせるとGoogle翻訳を使って精一杯の対応をしてくれるそうです。
メールサポート
ライブチャットと比べ、Bitdefenderのメールサポートはイマイチでした。試しにメールを送信したところ、サポートから回答が届くのに24時間以上かかり、比較的遅いと言えます。一方、ノートンのメールサポートは数時間で回答してくれることがほとんどです。とは言え、Bitdefenderのセキュリティ機能について詳しく回答してくれましたし、内容も役立ったので好印象です。あらかじめ用意された文章を返信する他社のメールサポートとは違い、Bitdefenderは個別に対応してくれます。
電話サポート
ライブチャットと同様、Bitdefenderの電話サポートはすばらしいでしょう。18か国に28の電話番号があり、全世界からかけられる24時間対応の電話番号もあります。電話サポートを試したところ、ほぼ瞬時に担当者に繋がったので驚きました。IT企業に問い合わせると、たいてい数分待たされますから、すぐに対応してくれたのは意外でした。担当者は知識が豊富で、Bitdefenderのインターフェースとサブスクリプションに関する質問に丁寧に答えてくれました。
ヘルプセンター
Bitdefenderのナレッジベースはサポート記事やハウツーガイドが豊富で、動画チュートリアルもあります。Aviraやマカフィーなどのヘルプセンターもまあまあ良いですが、Bitdefenderのサポート記事のほうが詳しく、特に動画は参考になります。ヘルプセンターのレイアウトも気に入りました。必要な情報がすぐに見つかるように工夫されています。例えば、Bitdefenderを使い始めるときは設定方法を解説した完全ガイドがありますし、デバイスがウイルスに感染した場合は脅威の防止・駆除に関するセクションがあります。
コミュニティ掲示板
「Bitdefender Expert Community」というコミュニティ掲示板があります。「世界中のエキスパートに質問を答えてもらえる場所」とされており、製品の特徴、エンタープライズセキュリティ、一般的な話題など、さまざまなカテゴリが用意されています。掲示板のやり取りは比較的活発に行われており、ほとんどの質問は数時間で回答されます。
まとめると、Bitdefenderのカスタマーサポートは非常に優れています。ライブチャットや電話サポート、ヘルプセンターはとても優秀です。とは言え、メールサポートにはもう少し迅速に対応してもらいたいものです。
BitdefenderはWindows・Macに一番おすすめのセキュリティソフトでしょうか?
Bitdefenderは2024年最高のセキュリティソフトとして有力候補です。検証では、高度なマルウェアエンジンはすべてのマルウェアを検出し、クリプトジャッカーやルートキット、ランサムウェアなど、比較的新しい高度な脅威もキャッチしてくれました。ウェブ保護も大半のフィッシングサイトをブロックし、ほかのセキュリティソフトや主要ブラウザ(ChromeやFirefoxなど)より優れていました。
Bitdefenderはありとあらゆるサイバーセキュリティ機能を提供しています。Wi-Fi保護や安全なブラウザ、VPNなど、基本的な機能はもちろん、ペアレンタルコントロールやランサムウェア修復、Webカメラとマイクの保護など、高度なツールもあります。
Bitdefenderは他社より多機能でありながら、使いやすさも妥協していません。パソコンが苦手なユーザーも設定を簡単に変更でき、ニーズに合わせて保護レベルを調整できます。
Bitdefenderのほとんどの機能はすばらしいと思いましたが、不満点もいくつかあります。パスワードマネージャーはセキュリティ機能が少なめで、iOSアプリは改善が必要です。また、MacとiOSの盗難も防ぎたいですし、全プランでデータ通信量が無制限のVPNが使えたらなお良いでしょう。
とは言え、ノートンやTotalAVなど、ほかのプレミアムセキュリティソフトと比べるとBitdefenderは格安で、全プランが30日間返金保証付きなので、リスクなしで体験し、自分に合ったセキュリティソフトか判断できます。
よくある質問
Bitdefenderの無料版はありますか?
Bitdefenderは、ウェブ保護機能が備わった無料のWindows版セキュリティソフトと、基本的なMac版無料マルウェアスキャナを提供しています。Bitdefenderの無料Windowsセキュリティソフトでは、有料版と同じ高度なスキャンエンジンが使えますが、Mac版にリアルタイム保護は含まれません。また、WindowsとMacの無料プランでは、データ通信量が無制限のVPNや高度なランサムウェア対策ツールなど、Bitdefenderの便利な追加機能は使えません。
セキュリティソフトを使うのであれば、格安の有料製品を購入したほうがよいでしょう。「少しお金がかかっても高品質のインターネットセキュリティソフトが欲しい」という場合、Bitdefenderの有料プランは低コストでありながら、充実したセキュリティ機能で安全を保つことができます。さらに、Bitdefenderは全プランが30日間返金保証付きです。
Bitdefenderのモバイルアプリを使うと、デバイスの動作が遅くなりませんか?
いいえ、Bitdefenderのモバイルアプリを使っても、デバイスが遅くなることはありません。軽量な設計で、必要なときしか動作しないからです(例えば、新しいアプリをインストールしたり、デバイスをスキャンしたりするときなど)。デバイスを使用中、アプリはバックグラウンドで動作しません。
Bitdefenderの動作環境は?
Bitdefenderは大半のデバイスに対応しています。2024年にBitdefenderを使いたい場合、Windowsデバイスでは、Windows 7 Service Pack1(SP1)以上がインストールされている必要があります。Macでは、macOS X 10.10(Yosemite)以上が必要です。
モバイルアプリのシステム要件は、AndroidデバイスはAndroid 5.0(Lollipop)以上、iOSデバイスはiOS 12以上となっています。なお、Android・iOSデバイスでモバイルアプリを使うには、インターネット接続が必要です。
BitdefenderのプランはすべてWindowsに対応していますが、macOS・Android・iOSデバイスも保護できるのは、BitdefenderトータルセキュリティとBitdefender プレミアムセキュリティだけです。
BitdefenderはWindows Defenderより優れていますか?
Bitdefenderはあらゆる観点でWindows Defenderより優れています。Bitdefenderのほうがマルウェア検出率が高く、リアルタイム保護やフィッシング対策、ランサムウェア対策、ペアレンタルコントロールもWindows Defenderより優秀です。
Bitdefenderはシステム最適化ツールやVPN、パスワードマネージャーなど、ほかのインターネットセキュリティ機能も備わっています。使いやすさも、Windows Defenderより断然優れています。
Bitdefenderは安全ですか?
はい、Bitdefenderは安全なセキュリティソフトです。Bitdefenderは正当な企業であり、ソフトは不正行為や悪質な行為との結びつきもありません(アクティビティを監視したり、ユーザーデータを盗んでサードパーティに売却したりするなど)。
Bitdefenderはソフトを定期的にアップデートし、安全性の向上と脆弱性を修正に取り組んでいますから、ハッカーは脆弱性を悪用したり、Bitdefenderの保護を回避したりできません。また、ソフトのアップデートにより、Bitdefenderのウイルスデータベースは既知のウイルスだけでなく、ウイルス対策を回避するように改良された新種のウイルスも検出できます。
Bitdefenderはマルウェア検出率も業界トップクラスです。検証でパフォーマンスは非常に優秀でした。
BitdefenderはVPNを提供していますか?
はい、BitdefenderはVPNを提供しています。実際、2024年におすすめのVPN付きセキュリティソフトで上位に選ばれているほどです。BitdefenderのVPNは非常に高速な「Hotspot Shield」を使用しているため、一流VPNに匹敵するスピードです。
しかし、BitdefenderのVPNでHotspot Shieldと同じ機能が使えるわけではなく、データ通信量は1日あたり200MBに制限されています(プレミアムセキュリティプランにアップグレードした場合は無制限です)。
RedditでのBitdefenderの評判は?
英語圏で人気の掲示板サイト「Reddit」を調べてみると、Bitdefenderは非常に優れたセキュリティソフトであるという声が多いことが分かりました。「効率的に脅威を検出・駆除できるのがありがたい」と評判が良いのです。ほかにも、「BitdefenderならVPNとパスワードマネージャーも使える」「インターフェースの使い勝手が良い」と言うユーザーもいます。
一方、「Bitdefenderだと、信用できるアプリを例外に設定にするのが難しい」と感じるユーザーも少しいるようです。とは言え、筆者が検証した際にこのようなデメリットは感じられませんでした。
Bitdefenderのプランでおすすめなのは?
すべてのマルウェアやセキュリティ脅威から完全に身を守りたい場合、Bitdefenderプレミアムセキュリティがおすすめです。本レビューで紹介したBitdefenderのセキュリティ機能がすべて含まれるほか、データ通信量が無制限のVPNも使えます。
とは言え、Bitdefenderのプランはどれを選んでも安全をしっかり確保でき、価格はわずか~です。Bitdefenderトータルセキュリティのセキュリティ機能はプレミアムセキュリティと同じですが、データ通信量無制限のVPNと多機能パスワードマネージャーは含まれません。Bitdefenderインターネットセキュリティもおすすめですが、Windowsでしか使えず、Bitdefenderトータルセキュリティとプレミアムセキュリティに含まれるPC最適化ツールは使えません。
Bitdefenderは中国の企業ですか?
いいえ。Bitdefenderはルーマニアの企業で、本社はルーマニア(ブカレスト)とアメリカ(カリフォルニア)にあります。デンマーク、イタリア、ドイツにも支社があります。
Bitdefenderは5億人のユーザーを誇る、市場で最も安全なセキュリティソフトの1つなのです。
Bitdefenderを使うと、データを盗まれませんか?
いいえ、Bitdefenderを使ってもユーザーデータは盗まれません。Bitdefenderのプライバシーポリシーによると、収集ことがあるのは、ユーザーが直接提供するユーザーデータ、インストール済みのBitdefender製品からの技術的データ、漏えいにより公開されたデータであるそうです。また、プライバシーポリシーには収集したすべてのデータを匿名化するよう「努力する」と書かれています。
Bitdefenderが倒産する可能性はありますか?
いいえ、Bitdefenderが倒産する恐れはありません。世界で最も人気のあるセキュリティソフトの1つで、マルウェア検出率はトップクラスです。
ノートンはBitdefenderより高性能ですか?
ノートンは2024年最高のセキュリティソフトです。マルウェア検出率がパーフェクトで、データ通信量無制限のVPNや優秀なウェブ防御など、便利機能が充実しています。検証で、ノートンの保護者機能とダークウェブモニタリングが特に役立ちました。また、アメリカのユーザー向けですが、個人情報の盗難対策サービスも提供しています。とは言え、Bitdefenderも優秀なセキュリティソフトです。マルウェア検出率はノートンと同じでした。ノートンと同じくらい使いやすく、クラウド型なのでデバイスへの負担が非常に軽いのが魅力です。