Urban VPNのエキスパートレビュー:まとめ
Urban VPNはデータ無制限の完全無料VPNで、比較的優れたサービスを無料で利用したいユーザーに向いています。アプリは非常に使いやすく、接続台数は無制限です。82か国にサーバー拠点がありますから、どこでも好きなコンテンツに簡単にアクセスできます。
しかし、Urban VPNは無料サービスですから、有料の他社サービスに及ばない部分もあります。まず、ピアツーピア型VPNなので、ほかのユーザーのアイドル状態のネットワークに依存しており、プライバシーとVPNのパフォーマンスが影響を受ける可能性があります。また、プライバシーポリシーは信用できず、セキュリティ対策もかなり基本的です。トレントと動画の視聴に向かないほか、カスタマーサポートも良くありません。
予算が限られていて無料VPNが欲しくてもUrban VPNはおすすめできません。Urban VPNより優れたVPNは存在します。例えばExpressVPNはセキュリティが強く、高速で、ストリーミングとトレントに対応しているなど、さまざまなメリットがあります。
🏅 総合ランキング | 82位中77VPN |
🌍 サーバー台数 | 4,476 |
📱 デバイス数 | 無制限 |
💸 最低価格 | 無料 |
🎁 無料プラン | ✅ |
💰 返金保証 | ❌ |
Urban VPN完全レビュー:無料でシンプルであるものの、重要な機能を欠いている
数週間かけてUrban VPNを検証し、業界トップクラスのVPNと比較しました。使いやすい無料サービスで、一般的なブラウジングにはそこそこ役立ちます。Windows、macOS、Android、iOS用のアプリは直感的に操作でき、帯域幅は使い放題で、接続台数も無制限です。
しかし、Urban VPNはP2P技術を採用しており、ログを保持するため、プライバシーが気になります。また、ExpressVPNなどの一流サービスと比べると、基本的なセキュリティ機能を欠いており、追加機能も少なく、P2Pに対応していません。また、Urban VPNのスピードとストリーミング時の性能は一貫しませんでした。サーバー拠点数が不正確で、カスタマーサポートを提供していないのも残念です。
Urban VPNのプランと価格:パソコンでは完全無料(モバイルでは有料版あり)
Urban VPNをパソコンで使う場合は完全無料で、データ使用量と接続台数は無制限です。予算が限られている場合は良さそうに思えますが、Urban VPNは安全ではなく信用できません。
高品質な有料VPNのほうが安心ですが、満足できる無料プロバイダもいくつか存在します。一番おすすめなのはProton VPNです。macOSとiOSアプリは日本語に対応していて、データ無制限で、優秀なセキュリティ機能が備わっているほか、比較的高速です。
Urban VPNはモバイルデバイス向けの有料プランがあります。1か月、6か月、1年プランから選べますが、カナダ、ポーランド、スペイン、タイ、オーストラリアのサーバーしか利用できません。また、有料プランに登録しても機能が追加されるわけではなく、サーバー拠点数が増えるだけです。7日間トライアルはありますが、加入するほどの価値はありません。
Urban VPNの機能:かなり少ない(業界標準のツールを欠いている)
Urban VPNのセキュリティ機能は非常にがっかりでした。例えば、データを暗号化すると主張しているものの、どの種類の暗号鍵を採用しているのか明記していないのです。
また、Urban VPNはログを保持します。IPアドレス、氏名、支払い情報、閲覧履歴、位置情報データなどを記録するのです。IPアドレスとネット通信を他人から隠しても、VPN事業者にこれらの情報を保存されてしまってはVPNを使う意味がありません。
Urban VPNで利用できるのはOpenVPNプロトコルのみです。最も広く使用されているオープンソース暗号化技術ですが、ほかのVPNならOpenVPNより高速なWireGuardなど複数の接続プロトコルから選べます。
Urban VPNは漏えい対策などの高度なセキュリティ機能があります。WebRTCとDNS漏えいを防ぐことができ、10か所以上のサーバーに接続して漏えいテストを実施した結果、漏えいは一切検出されませんでした。
Urban VPNは次の追加機能も提供しています。
- YouTube広告ブロッカー。アプリに内蔵された広告ブロッカーではありませんが、Chrome、Edge、FirefoxにYouTube広告ブロッカーを別途インストールすると迷惑なポップアップをブロックできます。
- Urban AdBlocker for Chrome。Chrome用の広告ブロッカーもあり、ウェブページに広告が表示されるのを阻止できます。
このVPNを使っても安全を守れているとは感じませんでした。ExpressVPNなどの一流VPNは、軍レベルの暗号化、キルスイッチ(VPNサーバーとの接続が切れた場合にデータ漏えいを防止する機能)、独立監査に合格した厳格なノーログポリシーなど、業界標準のVPNセキュリティ機能がすべて揃っています。また、RAMのみのサーバー(ハードドライブにデータは一切保存されません)、パーフェクトフォワードシークレシー(暗号鍵を変更する仕組み)などの高度なセキュリティ機能がデータを守ってくれます。
Urban VPNのプライバシーとセキュリティ:大量のデータを収集する
Urban VPNはプライバシーの観点で信用できません。IPアドレス、氏名、支払い情報、閲覧履歴、位置情報データなどのログを保持するのです。
Urban VPNは収集したデータを売却しないと主張していますが、業務目的で請負人やサービスプロバイダにデータを開示します。データを売却されたくない場合はオプトアウトできますが、筆者がオプトアウトしようとしたところ、「オフにするとUrban VPNが動作しなくなります」と表示されました。この警告を無視してオフにした結果、どのサーバーにも接続できなくなってしまいました。
プライバシー保護への取り組みは第三者監査を受けていないのも気になります。ExpressVPNやPrivate Internet Accessのように独立監査に合格した一流プロバイダを選んだほうが良いでしょう。
Urban VPNはアメリカの企業で、5・9・14アイズアライアンスの管轄内です。ログを保持していますから、政府にユーザーデータを提出を要請された場合は応じる可能性があります。個人情報とオンラインアクティビティを守らず、プライバシー保護の効果はないわけです。
まとめると、Urban VPNのプライバシーポリシーは完全な匿名性を実現せず、ユーザーデータを完全に管理できていません。ログを保持し、売却することもあります。データ売却からオプトアウトできず、独立監査を受けていないうえ、5・9・14アイズ同盟の管轄内です。
Urban VPNの速度とパフォーマンス:近距離サーバーではまあまあ良いものの、遠くのサーバーでは非常に遅い
Urban VPNの平均速度を調べるため、20か国以上のサーバーに接続してWindows 11のパソコンでスピードテストを実施しました。スピードテスト担当者の国(セルビア)にはサーバーがないため、隣国ハンガリーのサーバーを試したところ、最速のスピードが確認されました。しかし、スピードテストを行うたびに結果は異なり、速度が一貫しないことが分かりました。
アメリカの長距離サーバーだと通信速度は大幅に低下し、遅いと感じたそうです。また、日本、南アフリカ、ブルガリア、クロアチアに接続しようとしたときは接続が切れてしまいました。
まず、VPNサーバーに接続せずにスピードテストを実施し、速度の基準値を見極めました。次に、一番近いハンガリーサーバーに接続して通信速度を測定しました。
遠くのアメリカサーバーに接続した際の通信速度はこちらです。
まとめると、Urban VPNは近くのサーバーでは満足できるスピードでしたが、遠くのサーバーでは非常に遅いことが分かりました。近くのサーバーでパフォーマンスを試したところ、Webサイトは2~3秒で表示され、HD・4K動画の読み込みに4~5秒程度かかり、ラグなしで再生されました。遠くのサーバーでは速度低下が目立ちました。サイトの表示に5~6秒、HD・4K動画の読み込みに8~10秒かかり、飛ばすとわずかにバッファが発生しました。速度が一貫しなかったのも残念です。正直なところ、Urban VPNよりはるかに高速なVPNはあります。
Urban VPNのサーバーとIPアドレス:ネットワークに関する主張が実際とは違う
Urban VPNは日本を含む82か国にサーバーがあると主張していますが、Windowsアプリには56か国しか表示されません。また、サーバー総数と具体的な拠点についての情報はありません。とは言え、世界中にサーバーが設置されているので、近くの高速サーバーが簡単に見つかるはずです。
特殊サーバーや専用IPアドレスは提供していません。一方、ExpressVPNは105か国にサーバーがあります。Urban VPNは特定のストリーミングアプリやゲームプラットフォーム、SNSなどのための製品を提供していますが、有効にするにはUrban VPNプロキシブラウザ拡張機能をダウンロードしなければなりません。
まとめると、Urban VPNのサーバーネットワークは広範囲をカバーしているものの、サーバー設置国数はサイトに掲載されている数と一致しません。また、専用IPアドレスを提供していません。
Urban VPNでのストリーミングとトレント:どちらにも向かない
他の大手サービスと比べると、Urban VPNはストリーミングに向きません。Netflixは利用できますが、BBC iPlayer、ディズニープラス、Hulu、Amazonプライムなどの人気サイトには対応していないのです。例えばExpressVPNなら100以上の動画配信サイトと10以上のNetflixライブラリを確実に利用できます。2024年に一番おすすめのストリーミング用VPNに選ばれているのはそのためです。
トレントについて、Urban VPNはかなり基本的です。qBittorrentなど多くのP2Pアプリが使えるものの、通信速度が遅く、ポートフォワーディングやSOCKS5プロキシのサポートなど、トレントに役立つ追加機能はありません。トレントに適した一流VPNを探している場合はExpressVPNとPrivate Internet Accessがおすすめです。
まとめると、Urban VPNはストリーミングとトレントに向きません。Netflixにしかアクセスできず、確実ではありません。トレントにもイマイチです。
Urban VPNの使いやすさ:モバイルとデスクトップアプリは直感的に操作できるものの、かなり単純
Urban VPNのアプリは使いやすいですが、かなり単純です。Windows、macOS、Android、iOS用アプリのほか、Chrome、Edge、Firefoxのためのブラウザ拡張機能もあります。主なプラットフォームに対応しているのは良いですが、他社VPNのほうが幅広いアプリを提供しています。例えばExpressVPNは、Android、iOS、Windows、macOS、Linux、Chromebook、Kindle Fire、スマートテレビ、さらにはルーター用アプリがあり、Windows、Android、macOS、iOSアプリは日本語で利用可能です。
どのデバイスでもインストールと設定は非常に簡単で、2分以下で完了しました。無料なので、アカウント登録を行ったり支払い情報を入力したりする必要はありません。ほかのVPNより短時間で使い始めることができます。
デスクトップアプリは非常に直感的に操作できますが、かなり単純です。右側のサイドバーにサーバーがアルファベット順に表示されます。サーバーをダブルクリックするだけで繋がり、大きなオン・オフボタンをタップすると接続を終了できます。クイック接続機能はありません。
AndroidとiOSアプリも大体同じですが、より多くの機能が使えます。インストールするのに最大2分かかり、シームレスに動作します。どちらもロケーション履歴などの追加機能があり、サーバーに接続すると下り・上り速度がリアルタイムで表示されます。モバイルではAuto Location(オート・ロケーション)というクイック接続機能が利用可能です。現在地をもとに最適なサーバーを選んでくれるため、サーバーを手動で選ぶ手間を省けます。
まとめると、Urban VPNはWindows、Mac、Android、iOSアプリがあり、非常に使いやすい設計です。しかし、かなり基本的で、最低限の機能しかありません。
Urban VPNのカスタマーサポート:最低限で、役立たない
Urban VPNがカスタマーサポートを提供していないのは非常に残念です。厳密に言えば、カスタマーサポートのメールアドレスは利用規約ページに掲載されていますが(privacy@urban-vpn.com)、プライバシーポリシーに関する問い合わせ専用です。多数の投稿が掲載されたブログページと用語集もありますが、動作していませんでした。設定方法を簡単に説明したページもありますが、よくある質問集やトラブルシューティングガイドはありません。
まとめると、Urban VPNのカスタマーサポートはイマイチで、他社の足元にも及びません。例えばPrivate Internet Accessはトラブルシューティングガイド、詳しいよくある質問集、24時間年中無休のライブチャット(機械翻訳を通して日本語でもやり取りできます)、メールサポートを提供しています。
Urban VPNは2024年に信頼できるVPNサービスでしょうか?
Urban VPNは安全なVPNとは言えません。完全無料で、データ使用量と接続台数は無制限ですが、欠点があまりにも多いためおすすめできません。
Urban VPNには重大なデメリットがあります。プライバシーポリシーにはIPアドレスや閲覧履歴などのユーザーデータを記録すると書かれているため、信用できません。キルスイッチなどの基本的なセキュリティ機能を欠いており、接続が切れた場合にデータが公開されてしまいますし、RAMのみのサーバーやパーフェクトフォワードシークレシー、ビルトイン型広告ブロッカー、スプリットトンネリングなどの高度な機能もありません。
速度も、特に遠くのサーバーではUrban VPNは非常に遅く、不安定です。トレントにあまり向かず、ストリーミング機能が限られているのも問題です。Urban VPNは追加機能も非常に少なく、4つのOSにしか対応していないほか、カスタマーサポートを提供していないのも大問題です。
まとめると、Urban VPNは無料で使いやすいですが、特にプライバシーと機能の面で多くのデメリットがあります。セキュリティ、パフォーマンス、サポートを優先したい場合はExpressVPNなどの有料サービスのほうがおすすめです。ExpressVPNは非常に高速で、安全性と信頼性が高く、アプリは使いやすくすべての主要デバイスで利用可能です。
よくある質問
Urban VPNは信用できますか?
残念ながら信用できません。まず、Urban VPNはP2Pサービスなので、ユーザーのデバイスをサーバーとして利用しています。データがどこにどのように転送されるのか分からないのです。また、Urban VPNはログを保持します。これには個人情報も含まれ、収集したデータを売却しないと主張していますが、実際は業務目的で公開しています。データ売却からオプトアウトしようとすると、VPNが停止してしまいます。
また、どの暗号化を採用しているのか公表しておらず、キルスイッチなどの基本的なセキュリティ機能もありません。サーバー拠点に関する情報が一貫しないことと、きちんとしたカスタマーサポートを提供していないことも悪印象です。公監査を受けたり事業の透明性を高めたりしない限り、安全で信用できるVPNサービスとしてUrban VPNをお勧めすることはできません。代わりに2024年におすすめのVPNをご覧になり、ニーズに最適なものをお選びください。
Urban VPNは無料ですか?
はい、パソコンではUrban VPNを無料で使えます。帯域幅は無制限で、無制限のデバイスを接続できるため、データ使用量と接続台数を制限しているほかの無料VPNサービスより一歩先を行っています。モバイルデバイス向けの無料プランもありますが、5か国以上のサーバーに接続したい場合は有料プランにアップグレードしなければなりません。無料VPNが欲しい場合は2024年におすすめの無料サービスをご覧ください。
Urban VPNの無料版はデータ制限がありますか?
いいえ、Urban VPNの無料サービスはデータ制限がありません。完全無料でありながら、帯域幅は無制限で、接続台数も無制限です。モバイルデバイスでも同様ですが、利用可能なサーバーが制限されます。カナダ、ポーランド、オーストラリア、タイ、スペインのサーバーにしか接続できません。
Urban VPNでトレントを許可していますか?
はい、Urban VPNはトレントに対応していますが、あまり良くありません。全サーバーでトレントが許可されていて、qBittorrentなどの人気P2Pクライアントが使えるものの、トレントのための特殊サーバーはありませんし、ポートフォワーディングやSOCKS5プロキシサーバーなど、P2Pファイル共有をしやすくする機能もありません。代わりにトレントにおすすめの無料VPNをご覧ください。