HMAのエキスパートレビュー:まとめ
HMA VPNはとても優れたセキュリティ機能があり、アプリは直感的で楽しいデザインです。210か国以上に1,000台を超えるサーバーがあり、東京のサーバーにも接続できますが、2023年現在、HMA VPNより優れたVPNはあります(
HMA VPNは、業界標準のセキュリティ機能(AES 256ビット暗号化、停止スイッチ、ログなし方針など)を提供しているほか、次のような特長もあります。
- スプリットトンネル
- IPシャッフル
- P2P専用サーバー
- トーア・オーバーVPN
しかし、HMA VPNはデメリットもたくさんあり、業界トップクラスのVPNには対抗できません。パーフェクトフォワードシークレシーやRAMのみで実行されるサーバーなど、高度なセキュリティ機能はありません。また、ストリーミング専用サーバーがあるにもかかわらず、NetflixやHuluなど、利用できない動画配信サービスが多いのも残念です。ネット検閲が厳しい国では使えず、クイック接続機能はバグが多く、割高で、カスタマーサポートはかなりひどいと思います。
接続台数は10台までで、プランは月払いのほか、複数の年間プランから選ぶことができます。HMA VPNの全プランに30日間返金保証が適用されます。
総合ランキング | 84位中25VPN |
🌍 サーバー数 | 1,000台以上(国内サーバーあり) |
日本語に対応 | ○ |
📱 接続台数 | 10 |
💸 最低価格 | $2.99 / 月 |
🎁 無料プラン | × |
💰 返金保証 | 30日間 |
HMA VPNの完全レビュー
本調査では、数週間かけてHMA VPNを徹底的にテストし、安全性や通信速度、使いやすさなどを評価しました。
HMA VPNは標準的な機能でデータを守り、IPシャッフルなどの追加機能も提供しています。また、トーア・オーバー・VPNに対応しており、主要OS向けの使いやすいアプリが用意されています。サーバーとの距離によらず、通信は安定して速いのが良いでしょう。
しかし、欠点も数多く見つかりました。高度なセキュリティ機能はありませんし、HMA VPNで主要な動画配信サービスを視聴することはできません。さらに、難読化ツールもなく、他社より高価格で、カスタマーサポートは最悪でした。
まとめると、HMA VPNは安全にブラウジングやトレントなどに向いていて、使いやすいサービスですが、欠点が多すぎるので2023年におすすめのVPNとは言えません。
HMA VPNの機能
HMA VPNは標準的なVPNセキュリティ機能を提供しています。
- AES 256ビット暗号化
HMA VPNは銀行レベルの暗号化でネット通信を保護します。 - ログなし方針
HMA VPNのログなし方針は独立監査を受けていますが、監査報告書は公開されていません。 - キルスイッチ
データ漏洩を防ぐために、VPNとの接続が途切れた場合にネット通信が遮断されます(WindowsとmacOSで利用可能)。
アプリのキルスイッチ(App Kill Switch)も気に入りました。VPNとの接続が途絶えた場合、指定したアプリ(トレントクライアントなど)が通信できなくなります。こうすることで、VPNに接続していない状態でトレントするのを防ぐことができ、ほかのオンラインアクティビティには影響しません。アプリのキルスイッチで指定したアプリを開くと、VPNサーバーに自動的に接続されるのは気に入りました。
HMA VPNは2つのVPNプロトコルを使用しています。AndroidとWindowsでは「OpenVPN」、iOSとmacOSでは「IKEv2/IPSec」です。両方とも安全性が高く、高速なプロトコルですが(IKEv2/IPSecの方がOpenVPNより高速です)、WireGuardへの対応を期待したいですね(Private Internet AccessとProton VPNはWireGuardに対応しています)。WireGuardはセキュリティ対策が優れており、IKEv2/IPSecやOpenVPNより圧倒的に高速です。
HMA VPNはすべてのデバイスでIPv6、DNS、WebRTCの漏洩を防止してくれます。VyprVPNなどトップクラスのVPNでも、IPv6とWebRTCを手動で無効にしなければなりませんが、HMA VPNなら自動的にデータ漏洩を防止できます。
HMA VPNは全サーバーがトーア(Tor:ザ・オニオン・ルーター)に対応しています。無料のトーアブラウザをダウンロードして、VPNサーバーに接続したら、トーアネットワークを閲覧できるわけです。なお、トーアネットワークは比較的安全ですが、誤ってIPアドレスが流出する可能性はゼロではないので対策する必要があります。HMA VPNに接続してトーアネットワークでIPアドレスが流出した場合、公開されるのはHMA VPNのIPアドレスなので、あなたのIPアドレスは漏洩しません。トーア・オーバー・VPN接続では、複数層の暗号化が行われるため、速度が低下する傾向がありますが、HMA VPNではTorサイトが2~3秒で表示されました。HMA VPNでトーアネットワークを閲覧するのは簡単でしたが、Proton VPNならFirefoxやChromeなど普通のブラウザでもトーアサイトを閲覧できます(トーアブラウザをダウンロードする手間を省けるわけです)。
HMA VPNには、スプリットトンネル、IPシャッフル、IPリフレッシュ、スピードテストツールなどの追加機能もあります。
スプリットトンネル
スプリットトンネルを使うと、どのアプリの通信をVPNトンネルに経由させるか選ぶことができ、それ以外の通信はローカルネットワークで送受信されます。HMA VPNのスプリットトンネル機能はきちんと動作します(ただし、Androidでしか使えません)。試しに、チェコのサーバーでファイルをダウンロードしながら、普段のネットワークでYouTubeを見ました。速度が低下することなく、安全かつ高速でファイルをダウンロードしながら動画を視聴できました。
しかし、HMA VPNのスプリットトンネルはアプリの通信しか分割できません。一方、Proton VPNとPrivate Internet Accessなら、IPアドレスもスプリットトンネルで分割できますから、より柔軟に使えます。ブラウザの全通信をVPNから除外するのではなく、特定のサイトだけを除外できるわけです。また、上記のプロバイダは、より多くのデバイスでスプリットトンネルが使えるのも便利です。Private Internet AccessはAndroid、Windows、macOS、Linuxで、Proton VPNはAndroidとWindowsでスプリットトンネルが使えます。
まとめると、HMA VPNのスプリットトンネルは便利ですが、Androidでしか利用できません。今後はWindowsアプリでもこの機能を期待したいですね。なお、macOSとiOSでスプリットトンネルが使えるVPNサービスはほとんどありません。HMA VPNのスプリットトンネルはきちんと動作し、バグはありません。とても使いやすいと思いました。
IPシャッフル
HMA VPNのIPシャッフル機能とは、VPNセッション中にIPアドレスを変更する頻度を選べる珍しい機能です。IPシャッフルでは、現在接続しているサーバーと同じ場所(国と都市)のIPアドレスが割り当てられます。
設定をとても柔軟に変えられるのが気に入りました。頻度は5種類から選べるほか(30分、1時間、6時間、12時間、毎日)、手入力することもできます。他人に現在地を特定されにくくなり、セキュリティ強化策として有用です。IPシャッフルはiOS、Android、Windows、macOSで利用できます。
HMA VPNは「IPシャッフルを利用する際は、通信の漏洩を防ぐため、キルスイッチを有効にしてください」と推奨しています。IPアドレスが切り替わるときにVPNサーバーとの接続が数秒間途絶えるからです。
とは言え、VyprVPNの独自プロトコル「Chameleon」も同じような役割を果たし、より便利です。VPNセッションを通してIPアドレスが更新されるため、手動で設定を有効にしなくて済みます。また、IPアドレスが切り替わる際にVPNサーバーとの接続が途絶えないため、プライバシーの観点でより優れています。
まとめると、HMA VPNのIPシャッフル機能を使うと、一定時間おきにVPNのIPアドレスを変えることができ、他人にIPアドレスを監視されにくくなります。
IPリフレッシュ
HMA VPNのIPリフレッシュとは、ワンクリックでVPNのIPアドレスを更新する機能で、VPNサーバーに再接続せずに新しいIPアドレスを取得できます。IPリフレッシュはiOS、Android、Windows、macOSで利用できます。
残念ながら、HMA VPNのIP Refresh機能はあまり効果的ではありません。NetflixやAmazonプライムビデオなどの人気ストリーミングサイトで検出を避けられるか実験したところ、IPアドレスが10回更新されても、サイトにはアクセスできませんでした。
VyprVPNのカメレオン・プロトコルはIPリフレッシュと似た機能で、VPNセッション中にIPアドレスを自動的に更新できます。VyprVPNなら、Disney+を除くほとんどの動画サイトにアクセスできますから、HMA VPNより便利です。
まとめると、HMA VPNのIPリフレッシュ機能は便利ですが、効果的ではありません。
スピードテスト機能を搭載
HMA VPNはスピードテストツールを搭載しており、場所を指定して最速のサーバーを見つけることができますが、実際より速い速度が表示されます。サードパーティのスピードテストツール(Ookla)と結果を比べたところ、HMA VPNのスピードテストは正確ではありませんでした。HMA VPNでスピードテストを行ったところ、最速なのは国内サーバー(ルーマニア)ではなくオーストリアのサーバー(200Mb/s)だと表示されました。しかし、Ookla Speedtestでオーストリアのサーバーを試したところ、ルーマニアのサーバーより31%も遅いことが分かったのです。
ExpressVPNに内蔵されているスピードテスト機能の方が優れていると思います。とても正確で、現在地をもとに高速サーバーを提案してくれるからです。ExpressVPNのスピードテストツールを使って何度かスピードテストを実行したところ、Ookla Speedtestの結果とほぼ同じでした。
まとめると、HMA VPNに内蔵されているスピードテストツールは便利で使いやすいですが、正確ではありません。サードパーティのスピードテストよりも高速と表示されます。
HMA VPNのプライバシー保護・セキュリティ対策
HMA VPNのログなし方針は明白です。IPアドレス、ネット通信(閲覧したサイトやダウンロードしたファイル)、帯域の使用状況、タイムスタンプなどは記録されません。HMA VPNが記録するのはメールアドレスだけで、コミュニケーションのためだけに使用されます。
HMA VPNは5・9・14アイズ(監視情報の共有を合意した同盟)の加盟国であるイギリスに本社があります。しかし、サイバーセキュリティ企業VerSpriteによる独立監査で、HMA VPNがログなし方針を遵守していることが検証されていますから、英国当局がユーザーデータの引き渡しを要求したとしても、引き渡せるデータはありません。とは言え、透明性のため、HMA VPNには監査結果を公表してもらいたいですね (ExpressVPN、Proton VPN、TunnelBearなどと同じです)。
まとめると、HMA VPNのノーログポリシーは透明性があり、分かりやすく、ポリシーを守っていることが独立監査で実証されています(ただし、監査結果は公表されていません)。
HMA VPNの通信速度とパフォーマンス
HMA VPNの通信速度の平均値を割り出すため、全60か国以上のサーバーでスピードテストを実施しました。通信は94%も遅くなりましたが、私が住むルーマニアはもともとネット通信がとても速いのでそれほど遅く感じられませんでした。とても遠いサーバー(日本、オーストラリア、モンゴル)では大幅に遅くなりましたが、ルーマニアの国内サーバー、ヨーロッパやアメリカのサーバーも満足できるスピードでした。HMA VPNの速度をより正確に調べるため、アメリカの同僚にもスピードテストを行ってもらいました。その結果、速度は平均で37%低下し、業界平均を上回りました。
まず、普段の通信速度(ベースライン)を把握するため、VPNに接続していない状態でスピードテストを行いました。
次に、HMA VPNのクイック接続機能(Lightning Connect)でVPNサーバーに接続しました。この機能を使うと、位置情報をもとに最速のサーバーに自動接続されます。すると、ルーマニアではなく隣国ハンガリーのサーバーに接続され、速度は94%も低下してしまいました。サイトはすぐに表示され、HD動画のビデオも瞬時に再生されましたが、動画を4K画質に切り替えると再生するのに5秒かかり、早送りすると少しバッファしてしまいました。
また、ルーマニアのサーバーに手動接続したところ、ハンガリーのサーバーよりも速くなりました(Lightning Connectで最速のサーバーに接続されなかったということです)。ルーマニアのサーバーでは4K画質の動画もすぐに再生され、バッファなしで早送りできました。
次に、アメリカのVPNサーバーをテストした結果、速度は93%も低下しました。サイトやHD動画はすぐに読み込むことができましたが、動画を4K画質に切り替えると読み込みに5秒もかかり、何度もバッファしてしまいました。一方、IP電話(ネット通話)はフリーズしませんでした。
最後に、日本のサーバーに接続してスピードテストを行ったところ、通信は大幅に遅くなりました。サイトが表示されるのに5秒、HD・4K画質の動画が再生されるのに10秒かかり、かなり頻繁にバッファしました。ネット通話も接続が遅く、通話が途切れてしまうこともありました。
ルーマニアのネット通信はもともと非常に速いため、アメリカの同僚にもスピードテストを行ってもらいました。
まず、速度のベース値を把握するためにアメリカの同僚がローカルネットワークに接続した状態でスピードテストを実行しました。
次に、同僚はLightning Connectでニューヨークのサーバーに接続しました。速度は15%低下しましたが、これはかなり良いでしょう。ネットサーフィン、トレント、動画の視聴、オンラインゲームをしても、VPNによる速度の低下は感じられなかったそうです。手動で近距離サーバーに接続したところ、3台のうち2台はLightening Connectで接続したサーバーより高速でしたが、速度差は5~7%程度でした(やはりLightening Connectの性能はあまり良くないようです)。
次に、フランスのサーバーに接続しました。速度は平均で14%低下し、米国内のVPNサーバーに接続中より速度低下率が低かったことが分かりました。実際にインターネットを使ったところ、サイトが表示されるのに最大3秒、YouTubeが再生されるのに1~2秒かかり、少し遅いと感じたそうです。
最後に、一番遠いオーストラリアのサーバーに接続しました。同僚の場合、通信は71%低下しましたが、ネットサーフィン、動画の視聴、オンラインゲームなどはフランスのサーバーとほぼ同じだったと報告してくれました。
まとめると、同僚も私も、国内サーバー(ルーマニアとアメリカ)が最速でしたが、遠くのサーバーでも高速通信を維持できました。しかし、東アジアのかなり遠いサーバーは大幅な速度低下が確認されました。近距離・遠距離サーバーの両方で超高速通信が欲しい場合は、HMA VPNの代わりに2023年最速のVPNのExpressVPNがおすすめです。
クイック接続機能を使っても最速のサーバーに接続されないのは残念でした。ExpressVPNやPrivate Internet Access、Proton VPNなどのクイック接続機能では、いつも必ず最速のローカルサーバーに接続できました。
HMA VPNのサーバー・IPアドレス
HMA VPNは220か国以上、290か所以上に1,000台を超えるサーバーがあります。サーバー数は他社の方が多いですが(ExpressVPNは3,000台以上、CyberGhost VPNは7,400台以上)、HMA VPNは国数が最多です。そのため、世界中どこでも近くのサーバーに接続でき、高速通信が期待できます。
HMA VPNの一部の国では都市が表示されるのが良いと思いましたが、サーバーの負荷率とレイテンシも表示されたらさらに便利だと思います。負荷率とはサーバーに接続中のアクティブユーザー数、レイテンシとはデバイスからサーバーにネット通信が到達するまでの時間を示します。このような情報を見られれば、どのサーバーが最速なのか見極めやすいのです。Proton VPNはサーバーの負荷率、Private Internet Accessはレイテンシを表示してくれます。
また、HMA VPNにはP2Pへの対応も強化して欲しいですね。P2P通信が許可しているのは、米国、英国、オランダ、フランス、ドイツ、チェコの6か国のサーバーだけです。日本では近くにP2Pサーバーがないので、ダウンロード速度が遅くなってしまうでしょう。なお、HMA VPNのP2P非対応サーバーではトレントをダウンロードできませんでした。HMA VPNのダウンロード速度はかなり速かったのですが(アメリカのP2Pサーバーでは18GBのファイルを25分でダウンロードできました)、トレントをダウンロードしたい場合は他社の方がおすすめです。ExpressVPNやPrivate Internet Accessは全サーバーがトレントに対応しており、高速です。
HMA VPNのストリーミング専用サーバーは米国、英国、ドイツに用意されています。しかし、米国と英国の調査チームがテストしたところ、ストリーミング専用サーバーを使ってもNetflixやAmazonプライムビデオ、Disney+は利用できませんでした。普通のサーバーでも動画配信サービスは利用できませんでした。確実に動画配信サービスにアクセスできるVPNをお探しの方にはExpressVPNがおすすめです。
残念ながら、HMA VPNは専用IPアドレス(あなただけが利用できるIPアドレス)を提供していません。専用IPアドレスを取得したい場合、Private Internet AccessとCyberGhost VPNは格安で提供していますし、PrivateVPNなら無料でゲットできます。
まとめると、サーバー数は少なめですが、HMA VPNは世界各国にサーバーがあるので、近くのサーバーに接続して高速通信を楽しめるはずです。ストリーミング専用サーバーを使っても動画配信アプリは利用できませんが、6か国にP2P通信に対応したサーバーが用意されています。
HMA VPNでの動画の視聴とトレント
HMA VPNでBBC iPlayerは利用できますが、Netflix、Amazonプライムビデオ、Disney+、Huluにはアクセスできません。調査チームと協力してストリーミング専用サーバーをテストしたところ、主要な動画配信サービスでコンテンツを見ることはできませんでした。ほかにも、VRV、Pandora Radio、Sony Crackleなどのマイナーなサイトにもアクセスできました。
動画の視聴におすすめのVPNをお探しの方にはExpressVPNがおすすめです。65個以上の動画配信サービスが利用できると主張していますし、圧倒的なスピードで快適に動画を楽しめます。
トレントの観点ではまあまあでしょう。米国、英国、チェコ、オランダ、フランス、ドイツのサーバーではP2P通信が許可されています。テストでは、ファイルをダウンロードするのに適したスピードで、主要なトレントクライアント(qBittorrent、uTorrent、Delugeなど)をすべて利用できました。しかし、より多くのピアに接続して通信を高速化する「ポートフォワーディング機能」はありません。
トレントに一番おすすめのVPNはExpressVPNとPrivate Internet Accessです。どちらも全サーバーでトレントを許可していますし、セキュリティ・プライバシー機能が優秀で、安定して超高速です。
まとめると、HMA VPNはストリーミングには向きませんが、トレントにはまあまあ良いでしょう。 NetflixやDisney+、Amazonプライムビデオは利用できませんでしたが、英国の同僚はBBC iPlayerにアクセスできました。また、6か所のサーバーしかP2P通信が許可されていませんが、HMA VPNは主要なトレントクライアントに対応しており、データを漏洩せず、ダウンロード速度は高速です。
HMA VPNでのネット規制の回避
HMA VPNはネット規制がある国では使えません。インターネットのファイアウォールを通過するための難読化ツールがないからです。
ネット規制が厳しい国では、ExpressVPNがおすすめです。確実にVPNブロックを回避できます。
HMA VPNのプランと料金
HMA VPNは月払いと年払いのプランがあります。同時に10台のデバイスを接続できます(より多くのデバイスを接続したい場合は、接続台数が無制限のIPVanishをお試しください)。
有料プランは手頃ですが、個人的には高すぎると思いますExpressVPNやPrivate Internet Access、Proton VPNなどの一流VPNの方が格安で、HMA VPNより圧倒的に価値があります。
HMA VPNは複数の支払い方法に対応していますが、仮想通貨では支払えません。仮想通貨のほうがプライバシーを守れますから、残念ですね。仮想通貨で支払えるVPNをお探しなら、ExpressVPNとPrivate Internet Accessがおすすめです
HMA VPNの全プランが30日間返金保証の対象です。
HMA VPNの使いやすさ:モバイル・デスクトップアプリ
HMA VPNは、iOS、Android、Windows、macOS、Apple TV、Android TV向けのアプリを提供しています。ChromeとFirefoxのブラウザ拡張機能もありますが、無料プロキシであり、HMA VPNの有料サービスとは別物です。また、無料プロキシのプライバシー方針にはIPアドレスを記録すると書かれていますから、ブラウザ拡張機能は避けた方が良いでしょう(ExpressVPNとPrivate Internet Accessの拡張機能は安全で、ユーザーデータを記録しません)。
HMA VPNのアプリをインストールするのは簡単です。AndroidとiOSに1~2分で、Windows 10パソコンとMacBook Proに3~4分でインストールできました。
Android
HMA VPNのAndroidアプリはとても気に入りました。優れたデザインでナビゲーションしやすいでしょう。ワンクリック接続機能があり、サーバーを手動で選ぶのも簡単です。また、各設定に説明があります。
オリジナルキャラのロバは、サーバーに接続するたびに新しいデザインになります。国ごとに異なるデザインならさらにかわいいと思いますが。
スプリットトンネルが利用できるのはAndroidアプリだけです。追加機能として、IPシャッフル、IPリフレッシュ、完全なデータ漏洩対策、OpenVPNなどもあります。さらに、自動接続オプションでは、保護されていないWi-Fi、保護されているWi-Fi、モバイルデータでVPNサーバーに自動接続するよう設定できます。また、Wi-Fi脅威スキャン機能も気に入りました。VPNがオフになっているときもWi-Fiネットワークをスキャンし、脅威が検出された場合はVPNサーバーに自動接続されます。
しかし、HMA VPNのAndroidアプリにキルスイッチがないのは残念です(HMA VPNはAndroidでもキルスイッチが使えると主張していますが、ステップバイステップガイドを参考にしても見つかりませんでした)。これについてカスタマーサポートにメールで問い合わせたものの、いつまでたっても回答は届きませんでした。
正直なところ、ExpressVPNやProton VPNなど、より優れたAndroid用VPNはあります。アプリはHMA VPNより安全で、キルスイッチが使えますし、機能も優れています。
iOS
HMA VPNのiOSアプリはAndroidアプリとほぼ同じです。デザインはそっくりで、サーバーに手動・自動で接続するのも簡単です。HMA VPNのiOSアプリはデータ漏洩をしっかり防止し、IPリフレッシュとIPシャッフル機能があります。また、Wi-Fiとモバイルネットワークで自動接続するよう設定できます。
iOSアプリでは安全で高速なIKEv2/IPSecを採用していますが、Wi-Fi脅威スキャン機能、スプリットトンネル、キルスイッチはありません。とは言え、iOSアプリにスプリットトンネルとキルスイッチがあるVPNはごく少数です。参考までに、ExpressVPNとPrivate Internet AccessはiOSアプリにもキルスイッチがあり、TunnelBearのiOSアプリではスプリットトンネルが使えます。
まとめると、HMA VPNより優れたiOS用VPNアプリはほかにもありますが、HMA VPNのiOSアプリも使いやすく、便利な機能が利用できます。
Windows・Mac(デスクトップアプリ)
HMA VPNのデスクトップアプリはモバイルアプリとよく似たデザインです。唯一の違いは、ホーム画面の左側にサイドパネルがあることでしょう。サイドパネルでは、スピードテストの実行、通信量の確認、キルスイッチや自動接続機能のオン・オフ切り替えなどができます。
デスクトップアプリにスプリットトンネル機能はありませんが、アプリ単位で設定できるキルスイッチがあります。ほかにも、データ漏洩防止機能、セキュアプロトコル(WindowsではOpenVPN、macOSではIKEv2/IPSec)、IPシャッフル・IPリフレッシュなどの機能が搭載されています。
とは言え、WindowsとmacOSにおすすめのより高品質なVPNはあります。例えば、ExpressVPNのデスクトップアプリはHMA VPNのアプリより直感的で多機能です(スプリットトンネルもあります)。
まとめると、HMA VPNのデスクトップアプリはまあまあでしょう。スプリットトンネルは利用できませんが、便利なセキュリティ機能でWindowsとmacOSを守ることができます。
HMA VPNのアプリの使いやすさは?
HMA VPNのiOS、Android、Windows、macOS用アプリは使いやすく、日本語に対応しています。デスクトップアプリとモバイルアプリは違いもありますが、直感的に使いやすいデザインなので、スムーズに使いこなせるでしょう。
ですが、ExpressVPNとPrivate Internet Accessのモバイル・デスクトップアプリの方が優れています。使いやすさはHMA VPNと同じ、またはそれ以上で、より安全で、機能もHMA VPNより充実しています。
HMA VPNのカスタマーサポート
HMA VPNのカスタマーサポートは本当に残念です。設定ガイドは役立ちましたが、よくある質問(FAQ)、トラブルシューティングガイド、コミュニティ掲示板は期待外れでした。また、HMA VPNのメールサポートは最悪でしたし、チャットで問い合わせることはできません。サポートの公式言語は英語ですが、日本語で問い合わせると自動翻訳ツールを使って対応してくれます。
HMA VPNのサポートガイド(ナレッジベース)はデバイスごとに整理されていて、複数の記事が用意されています。機能の説明や接続トラブルの解決方法などについて読むことができますが、日本語のガイドはありません。また、古い情報も掲載されており、トラブルシューティングガイドを読んでも解決できないことがあり、カスタマーサポートに問い合わせる羽目になりました。ExpressVPNやCyberGhost VPNではサポート記事を読むだけで解決できることがほとんどです。
コミュニティ掲示板のナビゲーションはとても簡単で、質問を簡単に投稿できますが、あまり役立ちません。多くの場合、HMA VPNのサポート担当者は1日以内に返信してくれますが、回答が不完全だったり、「サポートチケットを作成しました」と回答したりすることがあるのです。これでは掲示板に質問を投稿する意味はありませんね。VyprVPNのコミュニティ掲示板では、必ず詳しい回答が届くのでとても役立ちます。
HMA VPNのメールサポートは本当に残念でした。メールで10回以上問い合わせたのですが、1回しか返信してもらえなかったのです。さらに、3日後に届いた回答は不完全で、役に立ちませんでした。Private Internet AccessやVyprVPNなどのトップクラスのVPNサービスは、2〜3時間でメールに詳しく答えてくれます。
HMA VPNはチャットサポートがあると主張していますが、利用できません。「ヘルプ」をクリックして、ボットにチャット担当者に質問したいとリクエストしても、チャット画面が開かなかったのです。メッセージを送信し、サポート担当者がメールで回答してくれるのを待つしかありませんが、メールにほとんど回答してくれないのです!ExpressVPNとCyberGhost VPNのチャットサポートは24時間年中無休で、気軽に問い合わせることができ、親切かつ丁寧に回答してくれます。
まとめると、HMA VPNのカスタマーサポートはお粗末です。セットアップガイド、よくある質問、トラブルシューティング記事は充実していますが、コミュニティ掲示板はほとんど役に立ちませんし、メールサポートは対応が悪く、チャットで質問することはできません。
HMA VPNは2023年におすすめのVPNと言えるのでしょうか?
HMA VPNは安全にブラウジングやトレントを行いたい場合のみおすすめです。というのも、ExpressVPNやPrivate Internet Accessなど、2023年にHMA VPNよりおすすめのVPNはたくさんあるからです。
HMA VPNの安全性は良いでしょう。256ビットAES暗号化、厳格なノーログポリシー(独立監査済み)、キルスイッチ、完全なデータ漏洩防止機能などでデータをしっかり守れます。トレント専用サーバーは6か国にあり、スプリットトンネル(Androidのみ)、IPシャッフル(VPNセッション中にIPアドレスを変更してプライバシーを強化)、TorオーバーVPNなど、追加機能もあります。
しかし、HMA VPNには重大な欠点もあります。パーフェクトフォワードシークレシーやRAMのみで実行されるサーバーなど、高度なセキュリティ機能はありませんし、NetflixやAmazonプライムビデオなどの人気動画配信サービスは利用できず、クイック接続機能を使っても必ず最速のサーバーに接続されるわけではありません。また、他社より割高で、カスタマーサポートはかなりひどく、チャット窓口はありません。
HMA VPNには最大10台のデバイスを接続でき、複数の料金プランがあります。全プランが30日間返金保証の対象です。
よくある質問
HMA VPNでNetflixは利用できますか?
いいえ。HMA VPNでNetflixを利用することはできません。HMA VPNはNetflix向けにストリーミング専用サーバーを用意していますが、当サイト独自の調査ではうまくいきませんでした(何回試しても、プロキシエラーが表示されたのです)。
HMA VPNでAmazonプライムビデオやHulu、HBO、Disney+などの人気動画配信サイトは利用できませんが、BBC iPlayerやVRV、Sony Crackle、Pandora Radioなど知名度の低いサイトにはアクセスできます。
Netflixなど主要な動画配信アプリに必ずアクセスできるVPNが必要な方にはExpressVPNがおすすめです。
HMA VPNは無料ですか?
いいえ。HMA VPNは無料プランはありません。
なお、原則として無料VPNはおすすめしません。重要なセキュリティ機能がなかったり、速度が遅かったり、通信量が制限されていたり、アプリの不具合が多かったりするからです。どうしても無料VPNが欲しい方はProton VPNをご検討ください。Proton VPNの無料プランは業界トップクラスで、安全性が高く、データ通信量は無制限です。速度も良好で、米国、日本、オランダのサーバーに接続できます。
HMA VPNは日本でトレントをダウンロードするのに役立ちますか?
HMA VPNはP2Pに対応していますが、トレントにおすすめのVPNはほかにもあります。HMA VPNのダウンロード速度は良好で、人気トレントアプリは利用できますが、6か国のサーバーでしかトレントが許可されていません(近くにサーバーがないかもしれません)。
トレントに一番おすすめのVPNはExpressVPNでしょう。3,000台を超える全サーバーでP2P通信が許可されていて、通信速度は業界トップクラスです。また、すべての主要なトレントクライアントが利用できます。
HMA VPNはログを記録しますか?
いいえ。HMA VPNはIPアドレスやネット通信(閲覧したサイトやダウンロードしたファイル)を記録しません。また、ログなし方針を遵守していることが独立監査によって実証されています。
HMA VPNは監査の結果を公開していないのが唯一の不満点です(ExpressVPNやProton VPN、TunnelBearなどのライバル企業は監査結果を公表しています)。