VPNは合法?VPNに関する法律を解説!2024年完全ガイド

Raven Wu
Raven Wu ライター
ファクトチェッカー:Katarina Glamoslija
Raven Wu Raven Wu ライター
ファクトチェッカー:Katarina Glamoslija

VPNの利用に関する法律は分かりにくいものです。国によって規則は異なりますし、情報は多く出回っているものの、正確な情報もあれば誤解を招く情報もあるため困惑してしまいます。

実際のところ、VPNはほとんどの国で合法です。VPNが禁止されている国はほんの一握りで、VPNの使用がばれると罰金などの処罰の対象となる可能性があります。また、VPNが認められていても、利用が制限されている国もあります。

VPNは、インターネットアクセスが制限されている国で便利なツールです。VPNがあれば、オンラインコンテンツが検閲されていない国のサーバーに接続できます。結果的に、ソーシャルメディアやニュースサイト、WhatsAppやTelegramをはじめとするメッセージアプリなど、好きなWebサイトやアプリを自由に閲覧できるようになります。ただし、規制の厳しい国では、VPNを使ってそのようなサイトやアプリを使うのは違法である可能性がありますので、事前に現地の法令をしっかり調べてください。

しかし、VPN利用が検出・ブロックされる国では、すべてのVPNを使えるわけではありません。そのため、VPN接続を隠して検出を避けるには、最先端の難読化ツールを備えた高品質VPNを使うのが重要です。

自由かつ安全にインターネットを閲覧するには、ExpressVPNが一番おすすめです。トップクラスのプライバシー機能とセキュリティ機能を備えているためネット上で匿名性を確保でき、中国やイラン、ロシア、サウジアラビア、インドネシアなど、規制の厳しい国で使えます。

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【注意】この記事は情報提供のみを目的としており、法的アドバイスを提供するものではありません。SafetyDetectivesはいかなる違法行為も容認しません。お住まいの地域の法律を必ず確認してください。

編集者から:ExpressVPNおよび当サイトは同じ企業グループに属しています。

VPNを使うのは合法ですか?

VPNの利用はほとんどの国で合法ですが、VPNが禁止されている国(イラクや北朝鮮など)や規制されている国(中国やロシアなど)もあります。

VPNが合法な国でも、法律を違反したり犯罪行為を隠したりするためにVPNを使うのは違法です。違法行為には次のようなものがあります。

  • 海賊行為。Torrentや違法なストリーミングサイトを介して映画や音楽、本などの著作物をダウンロードまたは配布すること。
  • 違法な取引。麻薬や盗まれたデータなど、違法な物品やサービスを売買すること。
  • 詐欺。なりすましやだましなどの不正行為。
  • ハッキング。コンピュータやネットワーク、データベースなどへの不正アクセス。
  • ストーカー行為、ネットいじめ。VPNを使ってもハラスメントを禁止する法律が適用されないわけではありません。

VPNが違法な国は?

ここでは、VPNが全面的に禁止されており違法である国を紹介します。なお、VPNに関する法律は突然変更されることがありますので、念のため、規制の厳しい国でVPNを使う前に現地法をチェックすることをおすすめします。

一部の国でVPNが禁止または制限されている理由は、政府が国民のインターネット利用を検閲できるようにするためです。VPNを使うと、外国の報道機関やソーシャルメディアなど、異なる視点や政府に対して批判的な意見を含むサイトにアクセスできます。

ベラルーシ

ベラルーシでは2015年にVPNが禁止されました。ほかにも、The Onion Router(Tor)やTelegramやSignalをはじめとするソーシャルメディアアプリなど、オンラインプライバシー保護を目的とした技術も禁止されています。現地でVPNを使ったことが見つかると、罰金が科される可能性があります。また、ベラルーシ政府はディープパケットインスペクション(DPI)などの監視技術を用いてVPN通信を検出・ブロックしたと非難されています。

イラク

イラクでは、VPNは2014年から違法となっています。しかし、イラク政府のファイアウォールは中国や北朝鮮のものほど強力ではありません。イラクでVPNを使ったことがばれた場合にどのような処罰を受けるかについての情報はほとんどありません。

北朝鮮

北朝鮮ではVPNは全面的に禁止されています。北朝鮮人のほとんどはインターネットにアクセスできません。代わりに、北朝鮮政府によってコントロール・監視されている「光明ネットワーク」というイントラネットサービスがありますが、国外からはアクセスできず、VPNも使えません。本物のインターネットにアクセスできるのは特別に許可された人と外国人だけです。北朝鮮でVPNを使用したことに対する処罰は不明です。

トルクメニスタン

トルクメニスタンでは2019年にVPNが禁止されました。トルクメニスタン政府は、国営インターネットサービスプロバイダ(ISP)で唯一の公認ISPであるTurkmentelecomを介したVPN通信を検出・ブロックしています。「VPNを使わない」と国民にコーランにかけて誓わせたほどです。VPNを使ったことがばれると罰金が科されますが、金額は不明です。

VPNが規制されている国は?

VPNは合法であるものの、使用が厳しく制限されている国を紹介します。「厳しく制限されている」とは、認可されたVPNだけが認められているか、VPNのホームページや通信が政府によってブロックされているという意味です。また、VPNが法的にグレーゾーンとなっているケースもあります。すなわち、違法とは明示されていないものの、VPNを使うとトラブルに繋がる可能性があるということです(特に、検閲されたコンテンツにアクセスするためにVPNを使った場合)。

中国

中国では、政府公認VPNのみが認められています。公認VPNはユーザーデータの検閲及び記録に関する政府規制に合意しなければならないため、本末転倒です。非公認VPNを使ったことを理由に罰金が科されたという報告はないものの、中国政府は非公認VPN製品を開発・販売した人を投獄したことがあります。

エジプト

VPNを禁止する法律はないものの、エジプト政府はVPNをブロックしています。つまり、エジプト国内ではVPNのホームページにアクセスできない可能性があるということです。なお、エジプトで禁止されたコンテンツ(VoIPアプリや道徳基準に反するものなど)にアクセスするためにVPNを使うと、罰金または懲役刑が科される可能性があります。

インド

インドではVPNは合法ですが、VPN事業者はユーザーデータを5年間保持しなければなりません。つまり、プライバシーを保護したい場合、インド国内にサーバーを設置しているVPNは信用できないということです。一流VPNプロバイダのなかには、データ保持が義務付けられたことを受けてインドの物理サーバーを撤去し、代わりに仮想インドサーバーを提供しているものもあります。仮想サーバーに接続すると、接続先の国のIPアドレスを取得できますが、サーバー本体は別の国に設置されています。例えば、ExpressVPNのインドサーバーは実際にはイギリスにあるのです。

イラン

イランではVPNは違法ではないものの、法律はかなり曖昧です。政府は2013年からVPNをブロックし、利用を控えるよう呼び掛けています。また、VPN利用を法的に制限する動きも出ています。例えば、2022年にイラン政府は、VPNを購入する場合は政府に申請書を提出することを義務付ける規則を立案しました。申請書を提出しても使えるのは政府公認VPNのみです。そのようなVPNはイラン政府によって厳しく監視されており、イラン政府が国民に見せたくないコンテンツは検閲されています。非公認VPNを使うと実刑判決を受ける可能性があります。

オマーン

厳密に言えばオマーンではVPNは合法ですが、状況は曖昧です。というのも、法律では「政府の許可なくインターネットで暗号化された部分にアクセスしてはいけない」とされていますが、VPNはまさにそのためのツールなのです。また、VPNに限らず、メッセージアプリやオンライン銀行アプリなど多くのアプリやサービスは暗号化を使用していますから、多くの人々は上記の規定を無視しています。つまり、法律で禁止されていなくてもVPNを使うと罪に問われる可能性があり、検閲されたコンテンツにアクセスするためにVPNを利用すると罰金を科されるかもしれないということです。

ロシア

ロシア政府は、国を脅かす一部のVPNとプロトコルをブロックすると発表しました。ロシアで事業展開をしているVPNサービスは政府が承認した”法的枠組み”に従わなければなりませんが、その枠組みによると、VPNサービスはロシアで禁止されたサイトをブロックしなければならないとされています。また、ロシア政府は個々のVPNを禁止していますが、その成果はまちまちです。非承認VPNを使ったことがばれると、罰金を科される可能性があります。

トルコ

VPNは合法ですが、トルコ政府はVPNのホームページやIPアドレス、通信をブロックしています。登録済みのVPNプロバイダはトルコでの事業展開が許可されていますが、現地でVPNを入手・使用するのは非常に困難です。トルコに渡航する場合、出発前にVPNプロバイダのサポートに問い合わせて、現地で使えるか確認しましょう。

アラブ首長国連邦

VPNは許可されていますが、厳しいインターネット検閲法があり、政府を批判するコンテンツやポルノなどにアクセスするためにVPNを使うのは禁止されています。そのようなVPNを使ったことがばれると、罰金や禁固刑が科される可能性があります。法律には、罪を犯すために「不正なコンピュータネットワークプロトコル」を使ってはいけないと明記されています。

ウガンダ

ウガンダ政府はVPNに対して好意的ではありません。ソーシャルメディア規制とソーシャルメディア税の回避を防ぐため、政府は2021年にVPNサービスをブロックし、現地のプロバイダを通じてVPN通信を禁止しようとしました。しかし、これらの規制はほとんど撤回されており、ウガンダでVPNの利用を禁止する法律は現在ありません。

VPN規制はどのように実施されていますか?

VPN利用が制限されている国では、政府は次のような手法を用いてVPN利用を検出・防止しています。

  • ディープパケットインスペクション(DPI)。DPIとは、ネットワークを介して送信されたデータパケットを分析し、VPN通信に特有なパターンやシグネチャを検知する技術です。DPIによってVPN利用が検出された場合、通信がブロックされるか、使い物にならないほど通信速度が低下してしまいます。
  • ドメイン/IP制限。一部の政府は、VPNサービスのIPアドレスをブロックリストに登録し、そのIPアドレスが送受信するデータをすべてブロックしています。効果的にブロックできるよう、VPNサーバーの最新のIPアドレスがまとめられたデータベースが使用されています。
  • ポートブロック。VPNプロトコルは、特定のポートを使って通信を行います。例えば、OpenVPNはたいていUDPの1194番ポートを使います。ポートをブロックすることで、政府は特定のタイプのVPNを効果的に無効にできるのです。
  • 国レベルのファイアウォール。中国のグレートファイアウォール(金盾)のように、大規模なファイアウォールを導入して国内のインターネットトラフィックを監視・規制している国もあります。このようなファイアウォールは送受信されるデータパケットをフィルタリングし、国内でアクセス可能なコンテンツをコントロールします。
  • プロバイダと協同する。プロバイダは個人のデバイスをインターネットに繋ぐ役割を果たしますが、政府がプロバイダと緊密に連携している国や、政府がプロバイダを所有している国もあります。政府の指示に基づき、プロバイダはネットワークレベルで規制を実施し、VPNをブロックしたり帯域制限をかけたりします。
  • VPNアプリのブロック。国内のアプリストアからVPNアプリを削除するようアプリストア側に指示する政府もあります。また、政府によってコントロールされているプロバイダもVPNサイトへのアクセスを禁止しているため、VPNを入手するのは非常に困難です。

違法にVPNを使うとどうなりますか?

「違法にVPNを使うとどのような罰則を受けるか」というのは必ずしも明らかではありません。VPNを禁止または制限している政府の多くは、罰則について簡単に情報を得られないようにしているためです。

結論から言うと、処罰は国によって異なります。罰金や禁固刑に処せる国もあれば、インターネットが利用できなくなる国もあります。

また、VPN規制を徹底するのに必要な技術がなかったり、観光などの経済的な理由から規制が甘い国もあります。

その良い例はイラクと中国です。イラクではVPNが禁止されていますが、インターネットインフラが貧弱なため、すべてのVPN利用を突き止めることができないのです。一方中国では、VPNが禁止されているにもかかわらず、外国人がVPNを使ったことを理由に罰金が科されたり投獄されたという報告は1件もありません。しかし、それ以外の国では高額な罰金や禁固刑を科される可能性があります。

処罰の内容は、VPNを使って何をしたかによって異なる場合もあります。例えば、公共Wi-Fiでデータを保護するためなど悪気のない目的と比べると、ブロックされたコンテンツにアクセスするためにVPNを使った場合は法的に罰せられる可能性が高いと言えます。

VPN規制を回避することは可能ですか?

はい、制限された国でVPN規制を回避し、自由でオープンなインターネットにアクセスすることは可能です。ただ、政府の制限を回避するのに向いているVPNを入手しなければなりませんが、VPN通信を隠すVPNプロバイダは少ないのが現状です。そのため、制限された国で使うことを意図してVPNを選ぶ際は、次のような特徴に注目しましょう。

  • 難読化。VPN通信を通常のインターネット通信に見せかけることで、VPN利用を検出されにくくします。特に、ディープパケットインスペクション(DPI)を用いてVPNをブロックしている国で有用です。ExpressVPNのサーバーは通信を難読化するため、政府の制限を回避するのに役立ちます。
  • IPアドレスを定期的に更新している。一部のVPNサービスは、サーバーのIPアドレスを頻繁に変更しています。これにより、VPNサーバーのIPアドレスをブラックリストに登録する手法でのVPN規制を回避できます。
  • TorオーバーVPNに対応している。VPN通信をTorネットワークに経由させることが可能なVPNプロバイダもあります。Torネットワークを経由させると多重暗号化によって匿名性が向上し、第三者にVPN利用を検出されにくくなります。なお、Torネットワークが違法な国もありますので、VPNを利用して.onionドメイン拡張子のついたサイトを訪問する場合は、お住まいの地域で合法なのか事前に確認してください。
  • OpenVPNまたはWireGuardが使える。OpenVPNとWireGuardはどちらも幅広いポートに対応しているため、VPN通信がよく使用するポートをブロックする手法でのVPN規制を回避できます。OpenVPNプロトコルでしかデータを難読化しないVPNプロバイダが多いなか、ExpressVPNはすべてのプロトコルで難読化を提供しています。

通常、VPN規制を導入している国では政府がオンラインアクティビティを常に監視していますから、VPNを選ぶ際は強力なプライバシー機能とセキュリティ機能が備わっているか確認するのも重要です。オンラインアクティビティのプライバシーとセキュリティを確保するには、次のプライバシー・セキュリティ機能があるか注目しましょう。

  • 完全なデータ漏えい対策。DNS、IPv6、WebRTCの漏えいを防止し、実際のIPアドレスが公開されないようにします。
  • RAMのみのサーバー。RAMのみのサーバーではデータが揮発性メモリに保存されるため、サーバーが再起動されるとデータがすべて削除されます。これにより、残留データがサイバー犯罪者や政府の差し押さえの標的になるのを防げるわけです。
  • パーフェクトフォワードシークレシー。データを暗号化するために使われるキー(鍵)を頻繁に変更する仕組みです。現在のセッションの暗号鍵が他人に知られたとしても、過去と未来のデータの安全が確保されます。
  • ノーログポリシー。ノーログポリシーを掲げているVPNプロバイダは利用者のオンラインアクティビティのログを一切保持しません。ネットの利用状況に関する記録自体が残らないため、当局や第三者に引き渡すこともできません。

よくある質問

VPNを使ってストリーミングするのは合法ですか?

はい、VPNが合法な国にいれば、VPNを使って動画を視聴するのも合法です。しかし、Netflixなどの動画配信サービスは配信許諾契約を結んでいるため、各コンテンツを配信できる国が限定されています。通常、このような制限を回避するためにVPNを使うのは動画配信サービスの利用規約に反する行為であり、著作権法違反となる可能性もあります(SafetyDetectivesはこれを容認しません)。

VPNを使うとトラブルは発生しませんか?

いいえ、一般的にVPNを使ってもトラブルは発生しません。ただし、VPNが違法な国は例外です。VPNはほとんどの国で合法であり、オンラインプライバシーを強化したりデータの安全を確保したりするなど正当な目的のために使われています。しかし、詐欺やハッキング、許可なく著作権物を配布するなどの違法行為はVPNを使っても違法です。

VPNの利用が認められていない国は?

VPNはほとんどの国で合法ですが、VPNが禁止または規制されている国もいくつかあります。ベラルーシ、イラク、北朝鮮、トルクメニスタンではVPNは全面禁止となっており、中国、エジプト、インド、イラン、オマーン、ロシア、トルコ、アラブ首長国連邦、ウガンダでは厳しく規制されています。規制の厳しい国では、VPN利用に関する法令が変更される可能性があります。そのような国でVPNを入手または使用する場合は、事前に法律を確認してください。

VPNを使ったことに対する処罰は?

違法にVPNを使ったことに対する処罰は国によります。VPNが規制または禁止されている国では、罰金や懲役刑などが科されます。処罰の内容は、VPNの使用目的によって異なる場合があります。

VPNが合法な国でトラブルが発生するのは、違法行為のためにVPNを使った場合のみであり、処罰はどの国でどのような犯罪をしたかによります。

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著者について
Raven Wu
Raven Wu
ライター

著者について

Raven Wuはフリーランスのライター、編集者、翻訳者です。インターネットの自由を強く主張し、テクノロジーにとても情熱を持っており、他にも教育、文学、健康、ポップカルチャー、ゲームなど様々なトピックについて調査、執筆することでその技術を磨いてきました。仕事以外では、アマチュア小説家、歴史愛好家であり、ハードゲーム、スパイシーフード、何事も一生懸命に考えることが好きです。

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