Mullvadのエキスパートレビュー:まとめ
Mullvad VPNは、優秀なセキュリティ対策とプライバシー保護機能で通信を守るVPNサービスです。
AES 256ビット暗号化、自動停止スイッチ、安全なプロトコル、厳格なログなし方針でユーザーデータが保護され、アプリはすべてオープンソースとなっています。また、Mullvad VPNは現金払いに対応しているのがユニークです。アカウント登録するときも、最低限の情報しか入力しなくて良いので、プライバシーを守ることができます。
Mullvad VPNは以下のような特長もあります。
- パーフェクトフォワードシークレシー
- スプリットトンネル
- 広告ブロッカー
- トーアオーバーVPN
- など…
Mullvad VPNはトレントにも役立ちます。中国やイランなど、ネットが規制されている国でも利用でき、自由なインターネットを実現します。
以上のように、Mullvad VPNは多くの魅力がありますが、欠点もいくつか見つかりました。最大のデメリットは、ストリーミングに向かないことです。テストでNetflixは利用できましたが、Mullvad VPNを使ってもAmazonプライムビデオなど数多くの人気動画配信サービスにアクセスできませんでした。また、WebRTC漏洩防止機能はなく、24時間年中無休のチャットサポートも利用できません。
Mullvad VPNは1つの契約で5台の端末を接続できます。料金プランは1か月、3か月、6か月、12か月プランがあり、契約期間によらず月額料金は固定されています。このようなVPNサービスはMullvad VPNだけでしょう。また、全プランが30日返金保証付きです。
総合ランキング | 98位中13VPN |
サーバー数 | 750台以上(日本のサーバーあり) |
接続数 | 5台 |
日本語に対応 | ○(iOSアプリは英語のみ) |
最低価格 | 月額$5.33 |
無料プラン | × |
返金保証 | 30日間 |
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Mullvad VPNの完全レビュー
数週間かけてMullvad VPNを徹底検証し、業界トップのVPNと比較した結果、Mullvad VPNはとても優れており、プライバシーを最優先にしているVPNサービスの1つだということが分かりました。
Mullvad VPNは業界標準のセキュリティ機能を搭載し、厳格なログなし方針があります。
また、VPNアプリは独立監査を受けており、オープンソースです。本社はプライバシー保護に有利な国にあります。個人情報を入力しなくてもプランに加入でき、匿名の支払い方法に対応しています。
さらに、Mullvad VPNのアプリは使いやすく、通信も速く、トレントに役立ちます。
Mullvad VPNの特長
Mullvad VPNは、VPNに必須のセキュリティ機能を提供しています。
- AES 256ビット暗号化
軍用レベルの暗号化でデータを保護します。 - ログなし方針
Mullvad VPNは一切のユーザーデータ(IPアドレス、サイト通信、ダウンロードしたファイル)を記録しません。Mullvad VPNのログなし方針は独立監査を受けており、方針を守っていることが何度も実証されています。 - 自動停止スイッチ(キルスイッチ)
VPNとの接続が途絶えた場合、Mullvad VPNは自動的にネット通信を遮断します。また、VPNサーバー接続を手動で切断したり、VPNアプリを終了した場合もネット通信を完全にブロックするよう設定すれば、Mullvad VPNに未接続でオンラインにならないように対策できます。
停止スイッチの設定を変えられるのは良いですが、WindowsアプリとmacOSアプリにしか搭載されていません。Android OSの停止スイッチを手動で有効化できますが、iOSでは全く利用できないのです。また、PrivateVPNのように、VPNに未接続でも特定のアプリの通信だけ許可することもできます。
Mullvad VPNはOpenVPN(UDP・TCP)とWireGuardという2つのプロトコルに対応しています。どちらも安全で高速ですが、テストではWireGuardの方が高速でした。
OpenVPNを選べば、パーフェクトフォワードシークレシー(ネット通信を暗号化するキーを一定時間おきに変更する機能)も利用しています。パーフェクトフォワードシークレシーを有効化すると、過去または今後の暗号化キーをサードパーティに知られても、データを見られません(現在のキーで暗号化されているデータしか解読できません)。
Mullvad VPNの漏洩対策は素晴らしいでしょう。独自のDNSサーバーに通信を送信してDNS漏洩を防ぎます。VPNサービスのほとんどはIPv6に対応しておらず、IPv6通信を自動でブロックするか、手動で無効化するよう推奨しています。一方、Mullvad VPNはIPv6通信に対応している数少ないVPNの1つです(Perfect PrivacyもIPv6に対応しています)。残念ながら、Mullvad VPNはWebRTC漏洩を防げません。
Mullvad VPNのサーバーに接続するとIPアドレス漏洩を防げるので、Torサイトを安全にブラウジングできます。Torネットワーク上でIPアドレスが漏洩しても、VPNのIPアドレスしか公開されず、本当のIPアドレスを他人に知られません。Mullvad VPNはTorに対応していますが、ProtonVPNの方がおすすめです。FirefoxやChromeなど、普通のブラウザでもTorサイトにアクセスできます。
以上のような業界標準のセキュリティ機能のほかに、Mullvad VPNはスプリットトンネル、広告ブロッカー、難読化や接続チェッカーなどの追加機能もあります。
スプリットトンネル
Mullvad VPNのスプリットトンネルを使うと、どのアプリの通信をVPNトンネルに経由させないか選ぶことができます。
試しに、Mullvad VPNのサーバーに接続後、トレントファイルをダウンロードしながらローカルネットワークでDisney+の映画を再生したところ、うまく行きました。VPNを経由しない通信でDisney+を視聴すると同時に、高速でファイルをダウンロードできたのです。Mullvad VPNはDisney+にアクセスできませんから、ダウンロードし終わるまで待たなくて良いのは便利でしょう。
Mullvad VPNのスプリットトンネルは使いやすく、Android、Windows、Linuxで利用できます。macOSでスプリットトンネルを手動設定する方法についてサポート記事が用意されていますが、難易度がかなり高い作業です。
優れたスプリットトンネルがあるVPNをお探しの方にはProtonVPNがおすすめです。ProtonVPNなら、アプリの通信だけでなくIPアドレスも例外に設定できるため、サイトのIPアドレスを指定すれば、そのサイトにアクセスするときにVPNを経由しないようにできます。
まとめると、Mullvad VPNのスプリットトンネル機能は、特定のアプリの通信だけVPNを経由させるために役立ちます。それ以外の通信はローカルネットワークで送受信されます。IPアドレスも例外に設定できればさらに良いですが、スプリットトンネルは使いやすく、期待通りに動作します。
広告ブロッカー
Mullvad VPNの広告ブロッカーは、効果的に宣伝やトラッカーをブロックします。
広告が多いニュースサイトやSNSにアクセスして性能を試したところ、すべての広告が非表示になりました。また、広告をブロックしたことでサイトの読み込みが速くなり、見た目もスッキリしました。
広告・トラッカーのブロック機能はAndroid、iOS、Windows、macOS、Linuxで利用できます。Androidアプリでは手動設定が必要ですが、1~2分で簡単に設定できます。
Mullvad VPNの広告ブロッカーは、マルウェアをブロックできないのが残念です。ProtonVPNやPrivate Internet Accessなど、多くのVPNは広告ブロック機能にマルウェアブロッカーも搭載しているため、悪質なサイトを避けるために役立ちます。
とは言え、Mullvad VPNの広告・トラッカーブロッカーはとても良いと思いました。広告をブロックすることで、ブラウジングが快適になります。
通信の難読化
Mullvad VPNのブリッジ・モード(Bridge Mode)は、優れた難読化機能です。
Shadowsocks(シャドーソックス・オープンソースの暗号化されたプロキシ)を使うと、ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)などのサードパーティからVPN通信を隠すことができます。また、「ブリッジ・モード」を有効にすると、インターネットへのアクセス制限が厳しい国(中国、イラン、インドネシアなど)でもネット上のファイアウォールを回避できます。
Mullvad VPNのブリッジ・モードは、通信を2台のVPNサーバーと1つのシャドーソックスプロキシに通信を転送する「ダブルVPN」として動作します。通信は次のような順で送信されます。
あなたの端末 → 1台目のVPNサーバー → シャドーソックスプロキシ → 2台目のVPNサーバー → インターネット
しかし、ブリッジ・モードを使うと通信速度が大幅に遅くなります。ブリッジ・モードを有効にしたところ、Mullvad VPNに普通に接続したときと比べ、通信が87%も遅くなりました。
難読化を有効にするには、ブリッジ・モードを「自動」または「オン」にする必要があります。デフォルト設定でブリッジ・モードは「自動」となっています。また、アプリがサーバー接続に3回失敗すると、ブリッジ・モードは自動的に有効になります。ブリッジ・モードをオンにすると、ブリッジ接続を確立するために入口サーバーと出口サーバーを選ぶ必要がありますが、この作業はやや複雑です。入口・出口サーバーを選べるのは良いですが、難読化接続を確立するのは他のVPNの方が簡単です。例えば、ExpressVPNはプロトコル設定を「自動」にすると、どのサーバーを選んでも難読化が自動的に有効になります。また、PrivateVPNはステルスモードをオンにすると、全サーバーで難読化が有効になります。
ブリッジ・モードはWindows、macOS、Linuxで利用できますが、iOSには対応しておらず、Mullvad VPNのAndroidアプリでも見当たりませんでした。シャドーソックスとOpenVPNアプリを活用すればAndroidでも手動設定できますが、かなり大変なのでおすすめしません。AndroidやiOSでVPN通信を難読化したい場合は、ExpressVPN、PrivateVPN、VyprVPNをご検討ください。
まとめると、Mullvad VPNのブリッジ・モード(Bridge Mode)は、優れた難読化機能でしょう。使いやすさには改善が必要ですし、Android・iOSアプリでも利用できればさらに良いと思いますが、中国などネット検閲の厳しい国でVPN通信を隠すのに役立ちます。
接続チェック
Mullvad VPNの接続チェック(Connection Check)機能はとても良いと思います。
DNSとWebRTCの漏洩テストを行い、VPNの漏洩対策が正常に動作しているか、アクセスが制限されているIPアドレスを使用していないか確認できます。また、ポートフォワーディングで開いたポートもテストできます。データ漏洩のテストサイトにアクセスしなくて済みます。
接続チェック機能には、使用中のIPアドレス、ホスティングプロバイダ、トレント中はサーバー名が表示されるのがとても便利だと思いました。トレントクライアントでデータが漏洩していないか確認できます。TorGuardにも似たような機能がありますが、トレントのIPアドレスしか表示されません。
また、アクセス制限されているIPアドレスを使用すると、CAPTCHAやreCAPTCHA(ユーザーがロボットでないことを確認するためのテスト)を突破しなければならないのですが、接続チェックを使えば、IPアドレスがアクセス制限されていないか確認できます。
まとめると、「接続チェック」はデータ漏洩やポートを確認する便利なテストツールです。トレントのIPアドレスを確認できるので、トレントクライアントがIPアドレスを漏洩していないかチェックするのに有用です。
Mullvad VPNのプライバシー保護・セキュリティ対策
Mullvad VPNのログなし方針は他社と比べてもかなり透明性が高く、日本や海外でプライバシーを守りたいときに役立つプライバシー機能をたくさん提供しています。
Mullvad VPNのプライバシーポリシーには、「IPアドレスや帯域使用量などの個人データ、アカウント登録用のメールアドレスを一切記録しない」と明記されています。サブスクリプションに加入し、Mullvad VPNのアカウントにログインするときは、自動生成された16桁のアカウント番号を使用します。
また、ProtonVPNと同様、Mullvad VPNは郵便で現金払いに対応しています。ネット上に取引の足跡が残りませんから、プライバシー保護に役立ちます。さらに、Mullvad VPNのログなし方針は独立監査を受けており、本当にログを記録していないことが実証されています。
Mullvad VPNのプライバシーポリシーはとても分かりやすく、Mullvad VPNがアクセスできるデータについて、スクリーンショットも添えて丁寧に解説しています。また、「現金払いする場合、封筒に氏名と住所を書かないでください」とプライバシーポリシーに書かれていたのも好印象です。ユーザーのプライバシーを守るためにMullvad VPNが全力で取り組んでいる表れでしょう。
また、Private Internet AccessやProtonVPNと同様に、Mullvad VPNのアプリはすべてオープンソースなので、誰でもコードを検証してアプリの安全性を確認できるのも気に入りました。
Mullvad VPNの本社は5・9・14アイズ(機密情報の共有を合意した同盟)の加盟国、スウェーデンにあります。しかし、警察などがユーザーデータの引き渡しを要求しても、Mullvad VPNはユーザーデータを保持していませんから、何も引き渡せません。また、スウェーデンにはデータ保持法がありますが、この法律の対象となるのはインターネット・サービス・プロバイダであり、VPNはデータを保持する義務がありません。
まとめると、Mullvad VPNのログなし方針は素晴らしいでしょう。プライバシー保護におすすめのVPNだと言えます。VPNアプリはすべてオープンソースです。
Mullvad VPNの通信速度とパフォーマンス
Mullvad VPNは35か国以上にサーバーを設置しているので、各国のサーバーに接続してスピードテストを行いました。なお、WireGuardの方がOpenVPNより20%程度速かったので、スピードテストではWireGuardを使用しました。平均すると、VPNサーバーに接続すると通信は70%低下しましたが、私はもともとネット通信が速いルーマニアに住んでいるので、速度が低下してもブラウジングには大した影響はありませんでした。アメリカの調査スタッフが同様のスピードテストを行ったところ、速度の低下は約17%で、かなり優秀な結果となりました。
まず、ベースラインを把握するため、ローカルネットワークで通信速度を測定します。VPNに接続前の速度は以下の通りです。
なお、他のトップクラスのVPNとは違い、Mullvad VPNにはクイック接続機能がないため、最速のサーバーに自動で接続することはできません。そこで、国内(ルーマニア)のVPNサーバーに手動接続しました。
速度は54%低下しましたが、しばらくブラウジングしても通信が遅くなったと感じませんでした。サイトや4K画質のYouTube動画は瞬時に読み込むことができ、動画を再生・早送りしても、バッファしませんでした。また、オンラインゲームでもラグはありませんでした。
次に、アメリカのVPNサーバーに接続しました。速度は71%低下しましたが、ほとんど違いは感じられません。サイトは普段通りすぐに表示され、1080p・4K画質のビデオは1~2秒で読み込めました。20GBのトレントファイルを15~20分程度でダウンロードできたのはとても速いでしょう。また、IP電話(ボイスオーバーIP)も安定していて、フリーズすることはありませんでした。
最後に、日本のVPNサーバーを試したところ、89%の大幅な低下となりました。サイトや4K動画を読み込むのに4~5秒かかり、少しバッファするようになりました。P2Pファイルは比較的高速でダウンロードでき、IP電話は読み込みに1~2秒かかりましたが、安定していました。
ルーマニアのネット通信はもともとかなり速いため、外国では違った結果となる可能性があります。そこで、アメリカの同僚にもスピードテストを実施してもらいました。
まず、ローカルネットワークで、通信速度を測定してベースラインを把握しました。アメリカの調査スタッフの場合、VPNに接続前のスピードは以下の通りでした。
次に、一番近いニューヨークのVPNサーバーに手動接続しました。速度の低下は8%で、ブラウジング、動画の再生、トレントのダウンロードなどにはほとんど影響しませんでした。
次に、スイスのVPNサーバーに接続したところ、ニューヨークのサーバーより高速になりました。サイトの読み込み、動画の再生、P2Pファイルのダウンロードなどはスムーズにでき、国際電話も音声に乱れはありませんでした。
最後に、同僚はオーストラリアのサーバーに接続したところ、19%の低下が見られました。長距離サーバーとしてはまあまあ良いですが、ブラウジング中に速度の低下が気になったそうです。サイトの読み込みに5~6秒かかり、動画の再生にも6~7秒かかったそうです(再生が始まると、途中でバッファすることはありませんでした)。また、オンラインゲームでもラグがあったと言います。
まとめると、Mullvad VPNの通信は近距離サーバーではとても速く、遠距離サーバーでも比較的高速でした。アメリカの同僚も、ルーマニア在住の私も、サイトや動画を素早く読み込むことができ、遠くのサーバーでも安定したIP電話で通話できました。
Mullvad VPNのサーバー・IPアドレス
Mullvad VPNは、日本を含む35か国以上に750台を超えるサーバーを整備しています。
トップクラスのVPNは、サーバーネットワークが充実していることがほとんどです。例えば、ExpressVPNは90+か国に3,000台以上、CyberGhost VPNは90か国以上に7,400台以上のサーバーがあります。
Mullvad VPNのサーバーの約半数(335台以上)はヨーロッパにあり、それ以外のサーバーは北アメリカ、オセアニア、中東に均等に設置されています。しかし、アジア、南アメリカ、アフリカのサーバーは少ないため、これらの地域では近くのサーバーに接続できず、通信が遅くなるかもしれません。
全サーバーでトレントが許可されているのは良いでしょう。ProtonVPN、CyberGhost VPNやCactusVPNなどでは、専用サーバーでしかトレントをダウンロードできません。近くに専用サーバーが用意されていなければ、スピード低下の原因となります。
Mullvad VPNは、あなただけに割り当てられる「専用IPアドレス」は提供していません。専用IPアドレスが必要なら、無料で専用IPアドレスを取得できるPrivateVPNが良いでしょう。また、少額の料金がかかりますが、CyberGhost VPNやPrivate Internet Accessもおすすめです。
まとめると、Mullvad VPNはヨーロッパ、北アメリカ、オセアニアにバランス良くサーバーを整備しています。他のトップクラスのVPNと比べると、サーバーがある国は少なめですが、全サーバーでP2P通信が許可されているのは良いでしょう。
Mullvad VPN:動画の再生・トレント
Mullvad VPNは動画の視聴には向きません。
テストでMullvad VPNはNetflixが利用でき、英国の同僚によるとBBC iPlayerも視聴できました。しかし、Amazonプライムビデオ、Disney+、Huluにはアクセスできませんでした。すべての人気動画配信サービスが楽しめるVPNをお探しなら、ExpressVPN がおすすめです。
Mullvad VPNはトレントにとても役立ちます。750台を超える全サーバーでP2P通信が許可されており、ポートフォワーディングも可能なので、より多くのピアに接続して通信を高速化できます。また、Mullvad VPNはqBittorrent、Deluge、uTorrentなどすべてのトレントクライアントに対応しています。
ファイルのダウンロードを開始する前に、10台以上のサーバーでDNS、WebRTC、IPv6の漏洩テストを行ったところ、データ漏洩はまったくありませんでした。
まとめると、Mullvad VPNでNetflixにはアクセスできましたが、Amazonプライムビデオなどその他の動画配信サービスは利用できませんでした。一方、トレントにはとても役立ちます。Mullvad VPNは全サーバーでP2P通信を許可しており、主なトレントクライアントに対応しています。
Mullvad VPN:ネット規制の回避
Mullvad VPNはネット規制の厳しい国でVPN制限を避けることができます。
ブリッジ・モード(Bridge Mode)という難読化機能がありますが、やや使いにくいのが唯一の欠点です。規制の厳しい国でも利用でき、使いやすい難読化ツールを搭載したVPNをお探しの方はExpressVPN をご検討ください。
Mullvad VPN:プランと料金
Mullvad VPNは、一律の月額料金制です。
月ごとの定期払いを選ぶか、1、2、3、6、12か月分の料金を一括で前払いできます(どのプランを選んでも、月額料金は同じです)。
Mullvad VPNは $5.33 / 月の一律料金制で、1年未満の利用であれば他社より安いと言えます。しかし、多くのVPNサービス(CyberGhost VPN、Private Internet Access、PrivateVPNなど)は2年・3年プランが大幅割引となっていますから、長期的に使いたい場合にご検討ください。
Mullvad VPNはさまざまな支払い方法に対応しています。クレジットカードやPayPalのほか、Swish、SEPA、仮想通貨、Mullvad VPNのギフトカード、Giropay、EPS、iDEAL、Bancontact、Przelewy24でも支払えます。また、Mullvad VPNは10種類の通貨で現金払いに対応しているのは珍しいでしょう(ちなみに、ProtonVPNも現金払いできます)。
Mullvad VPNは全プランが30日返金保証付きです。
まとめると、Mullvad VPNの一律の月額料金制は、長期契約を結ぶ必要がないという点で良いでしょう。長期プランに割引が適用される他社と比べると高めですが、Mullvad VPNの料金はかなり手頃です。
Mullvad VPNのモバイル・デスクトップアプリの使いやすさ
Mullvad VPNはiOS、Android、Windows、macOS、Linuxアプリがあります。Mullvad VPNはLinuxのGUIアプリを提供している数少ないVPNの1つです。Linuxアプリのデザインは他のアプリとほぼ同じで、コマンドラインでアプリを操作する必要はありません。
Mullvad VPNのアプリはとても簡単にインストールできます。AndroidとiOSのスマホに1分で、Windows 10パソコンとMacBook Proに1~2分でVPNアプリのインストールが完了しました。
Androidアプリ
Mullvad VPNのAndroidアプリは多機能で使いやすいですが、欠点もあります。
Androidアプリはインターフェースが分かりやすく、日本語に対応しています。サーバーに素早く接続でき、スプリットトンネルや広告ブロッカーなどの機能はすぐに見つかりました(なお、広告ブロッカーは手動設定が必要です)。また、超高速のWireGuardプロトコルにも対応しています。
他のVPNのAndroidアプリでは、ワンタッチでVPNサーバーに接続できますが、Mullvad VPNのアプリにはクイック接続機能がないのが残念です。また、Mullvad VPNのAndroidアプリにブリッジ・モードはなく、IPv6漏洩対策や自動停止スイッチも搭載されていません。しかし、Android OSの停止スイッチを手動設定できますから、「常時接続VPN」と「VPN以外の接続のブロック」から選ぶと良いでしょう。ただし、Android OSで停止スイッチを設定する方法についてサポートガイドは用意されていません。カスタマーサポートに質問しなければなりませんでした。Androidアプリに自動停止スイッチがあるVPNをお探しの方は、ExpressVPNとCyberGhost VPNをご検討ください。
もう1つの欠点は、いくつかの機能には説明が表示されないことです。例えば、WireGuard MTUオプションが何の機能なのかカスタマーサポートに問い合わせなければなりませんでした(モバイルネットワークで接続をより安定させる設定だそうです)。すべての機能に説明をつけて欲しいですね。
まとめると、Mullvad VPNのAndroidアプリは良いと思います。クイック接続ツール、ブリッジ・モード、停止スイッチを搭載しておらず、機能や設定に説明がないこともありますが、Mullvad VPNのAndroidアプリは通信が速く、使いやすいでしょう。スプリットトンネルや広告ブロッカーなどの機能もあります。
iOSアプリ
Mullvad VPNのiOSアプリには自動停止スイッチ、難読化機能、スプリットトンネルを搭載していません
(他社のiOSアプリも、これらの機能がないのは珍しくありません)。自動停止スイッチを搭載したiOSアプリが必要なら、Private Internet Accessがおすすめです。また、iOSアプリは日本語に対応していません。
Androidアプリと同様に、iOSアプリで利用できるプロトコルはWireGuardだけで、広告ブロッカーがあります。
まとめると、Mullvad VPNのiOSアプリは最高とは言えませんが、使いやすく、高速で、広告ブロッカーを搭載しています。
Windows・Mac(デスクトップアプリ)
Mullvad VPNのデスクトップアプリのデザインは、モバイルアプリとほとんど同じで、とても使いやすいでしょう。日本語に対応しているので、快適に利用できます。
モバイルと同様、Mullvad VPNのWindowsアプリ・macOSアプリでもクイック接続できませんが、サーバーを探して接続するのは簡単です。
Windowsアプリ・macOSアプリはOpenVPNとWireGuardに対応しているのが気に入りました。また、Mullvad VPNのデスクトップアプリは両方とも、常に有効な自動停止スイッチを搭載しています。モバイルアプリと違い、WindowsアプリとmacOSアプリはIPv6通信に対応しています。
また、WindowsアプリとmacOSアプリにはブリッジ・モードと広告ブロッカーがあります。スプリットトンネルがあるのはWindowsアプリだけです。macOSでもスプリットトンネルが利用できるVPNをお探しの方は、ExpressVPNとPrivate Internet Accessをご検討ください。
まとめると、Mullvad VPNのWindows・macOSアプリは使いやすく多機能で、とても安全です。
Mullvad VPNのアプリの使いやすさは?
Mullvad VPNはAndroid、iOS、Windows、macOS、Linux用アプリがあり、どれも使いやすい設計です。
アプリのデザインは似ているので、どの端末でもナビゲーションしやすいでしょう。
モバイルアプリよりデスクトップアプリの方が優れています。Windows・macOS用アプリはインターフェースが直感的に分かりやすく、OpenVPNとWireGuardプロトコルに対応しており、ブリッジ・モード、広告ブロッカー、カスタマイズ可能な停止スイッチを搭載しています。Windowsアプリにはスプリットトンネルもあるという点で、macOSアプリより優れています。モバイルアプリは広告ブロッカーを搭載し、WireGuardに対応していますが、スプリットトンネルが利用できるのはAndroidアプリだけです。
Mullvad VPNのカスタマーサポート
Mullvad VPNのカスタマーサポートとして、よくある質問、セットアップガイドやトラブルシューティングガイド、メールサポート(英語とスウェーデン語のみ。スウェーデンの営業時間に対応)がありますが、24時間年中無休のチャットサポートはありません。
Mullvad VPNのサポートページは見やすいでしょう。よくある質問やガイドはアプリ、接続性、セキュリティ、ブリッジなど10種類のトピック別に整理されています。トピックはサポートページの左側に一覧で表示され、クリックすると、多数のFAQ記事やガイドが表示されます。記事はすべて詳しく書かれていました。
FAQやサポートガイドを読んでも質問を解決できなければ、Mullvad VPNにメールで問い合わせられます。何度かメールを送信したところ、2~3時間で返信が届きました(対応時間の業界平均は5~6時間です)。30分以内に対応してくれることもあり、回答は詳しく丁寧でした。
しかし、他社のように24時間年中無休のチャットサポートも欲しいですね。メールの返信を待つより、チャットで素早く解決できた方が便利です。今後を期待したいものです。
まとめると、Mullvad VPNのカスタマーサポートは良いでしょう。チャットで問い合わせることはできませんが、FAQやサポートガイドは充実していて、便利です(英語のみ)。また、メールにも素早く対応してくれ、丁寧に回答してくれます。
Mullvad VPNはプライバシー保護におすすめのVPNですか?
Mullvad VPNはトップクラスのセキュリティ機能でデータを守り、プライバシー機能も優秀です。通信が速く、使いやすいVPNサービスとなっています。
Mullvad VPNは優秀なセキュリティ対策とプライバシー保護で有名です。Mullvad VPNは業界標準のセキュリティ機能のほか、強力なデータ漏洩対策、パーフェクトフォワードシークレシー、オープンソースのアプリ(独立監査済み)、トーアオーバーVPNなど、魅力の多いVPNでしょう。Mullvad VPNはスプリットトンネルや広告ブロッカーなど、追加機能もあります。プライバシーに関して、Mullvad VPNは厳格なログなし方針を守っており、現金払いでき、ほぼ匿名でアカウント登録できます。
Mullvad VPNは35か国以上に750台を超えるサーバーがあり、全サーバーがトレントに対応しています。また、規制の厳しい国でインターネット上のファイアウォールを回避できます。
スピードテストの結果、近距離サーバーでも長距離サーバーでも、Mullvad VPNは高速通信を維持できることが分かりました。ブラウジングや動画の視聴、IP電話、トレントで大容量ファイルをダウンロードするなど、さまざまな場面で役立ちます。速度は平均で70%低下しましたが、アメリカの同僚は17%しか低下せず、他社と比べてもかなり高速です。
しかし、Mullvad VPNには欠点もあります。Netflixが利用でき、BBC iPlayerにアクセスできることもありますが、Mullvad VPNでHuluやAmazonプライムビデオなど、他の動画配信サービスは視聴できません。また、macOSではスプリットトンネルが利用できず、24時間年中無休のチャットサポートもありません。
Mullvad VPNは契約期間によらず月額料金が固定されていて、料金は手頃です。全プランに30日間返金保証が適用されます。
よくある質問
Mullvad VPNは無料ですか?
いいえ、Mullvad VPNは無料プランを提供していません。しかし、加入すると30日間返金保証が適用されますから、リスクなしで体験できます。また、Mullvad VPNは複数の料金プラン があり、$5.33 / 月の一律料金制です。
なお、無料VPNはおすすめしません。というのも、無料VPNアプリは重要なセキュリティ機能がなく、バグが多い傾向があるからです。また、通信量の制限や通信の遅さも気になります。さらに、アクセスしたサイトやダウンロードしたファイルなど、ユーザーデータを記録する悪質な無料VPNもあります。
以上のようなデメリットがある無料VPNより、低価格のMullvad VPNを使ってしっかりセキュリティ対策するのがおすすめです。Mullvad VPNは通信が速く、トレントに対応しており、アプリは使いやすいデザインです。
Mullvad VPNで日本のNetflixにアクセスできますか?
はい。Mullvad VPNに接続すれば、Netflixにアクセスできます。
しかし、Mullvad VPNは動画の視聴におすすめのVPNとは言えません。BBC iPlayerにアクセスできる確率は50%程度で、Amazonプライムビデオ、Disney+、Huluなどの人気動画配信サービスにはアクセスできなかったからです。
海外版Netflixなど、多数の動画配信サービスにアクセスしたい場合はExpressVPNやCyberGhost VPNがおすすめです。
Mullvad VPNは日本でトレントをダウンロードするのに役立ちますか?
はい。Mullvad VPNはトレントにおすすめのVPNです。750台を超える全サーバーがP2P通信に対応しているので、一番近いサーバーに接続して最速のダウンロード速度を確保できます。
テストでは20GBのファイルを15~20分でダウンロードでき、かなり高速でした。また、Mullvad VPNはqBittorrent、uTorrent、Deluge、Transmissionなど、人気のトレントソフトのほとんどに対応しており、ポートフォワーディングに対応しているので、より多くのピアに接続して通信の高速化を図れます。
Mullvad VPNは他にも、トレントクライアントがIPアドレスを漏洩していないか確認する「接続チェック」という便利な機能があり、自動停止スイッチ、高度な暗号化、厳格なログなし方針など、VPNに必須のセキュリティ対策を行っています。
Mullvad VPNは中国で利用できますか?
はい。Mullvad VPNは中国のVPN規制を回避ブリッジ・モード(Bridge Mode) を有効にすると、通信が難読化されます。Shadowsocks(シャドーソックス)プロキシでVPN通信を隠す機能です。