mSpyのエキスパートレビュー:まとめ
mSpyは、ペアレンタルコントロールアプリではなく、どちらかと言うと監視アプリでしょう。
オンラインコンテンツのフィルタリングや子どもの現在地を追跡するなど、保護者向け機能はいくつかあるものの、QustodioやNet Nannyをはじめとする一流のペアレンタルコントロールアプリとは違い、スクリーンタイムやアプリの使用制限などの重要な機能はありません。
とは言え、mSpyなら、子どもをさまざまな角度から見守れます。
- メッセージアプリのモニタリング。WhatsAppやSnapchat、Facebookメッセンジャー、LINE、GoogleハングアウトなどのメッセージアプリやSNSアプリで子どもが送受信しているメッセージをすべて読むことができます。
- メールのモニタリング。子どものメールをすべて読むことができます。
- ステルスモード。子どもに知られずアクティビティを把握できます。
- ほか多数…
mSpyでは、AndroidとiOSデバイスの使用状況をモニタリングできます。スマホとタブレットの両方に対応していますが、iOSアプリでは一部の機能しか使えません。
アプリをダウンロードする必要はなく、mSpyの公式サイトからアカウントにログインすると、ダッシュボードにアクセスできます。ダッシュボードは直感的に分かりやすく、使い方も簡単なので、初めてペアレンタルコントロールアプリを使う場合も安心です。
高度なペアレンタルコントロール機能がないほかにも、mSpyは重大な欠点がいくつかあります。最大のデメリットは、mSpyの全機能を使うにはスマホをルート化または脱獄しなければならないことです。パソコンが苦手な人にとっては難易度がかなり高く、デバイスの安全性が脅かされますから、高品質のモバイル向けセキュリティソフトを導入したほうが良いでしょう。ノートンはAndroidとiOSにおすすめのアンチウイルスとして1位に選ばれていますから、ぜひご検討ください。
mSpyのプランについて、ベーシックプラン、プレミアムプラン、ファミリーキットプランの3つがあり、契約期間を選べます。プランによりますが、mSpyなら1~3台のデバイスをカバーできます。無料プランや体験期間はなく、ほかのペアレンタルコントロールアプリとは違い、返金保証もありません。
🏅 総合ランキング | Ranked 6 out of 27 parental controls |
📱 日本語に対応 | ✅ |
🖥️ ウェブとアプリのフィルタリング | ✅ |
⏲️ 時間制限 | ❌ |
📍 現在地の追跡 | ✅ |
💸 最低価格 | $5.83 / 月 |
📱 デバイス数 | 1~3台 |
🎁 無料プラン | ❌ |
💰 返金保証 | ❌ |
mSpyの完全レビュー
数週間かけてmSpyを実際に使い、徹底的に検証しました。結論から言うと、子どものやり取りをすべて監視する必要がなければ、他社のペアレンタルコントロールアプリを使ったほうが良いでしょう。
ペアレンタルコントロールアプリに必須の機能として、カテゴリ別にサイトをフィルタリングする、スケジュールを設定する、スマホの使用時間を制限する、YouTubeの利用状況を把握するなどが挙げられますが、mSpyにこのような機能はありません。「子どもを見守り、デバイスの使用を管理するためのアプリ」というより、「子供を監視するためのアプリ」なのです。製品名に「スパイ」という単語が入っていることを考えると、納得できますね。
mSpyは料金もかなり高めです。1~3台のデバイスしかカバーできず、無料トライアルや無料プラン、返金保証もないことを考えると、高すぎると思います。
mSpyの特徴
mSpyは次のようなペアレンタルコントロール機能があります。
- サイト・アプリのフィルタリング。子どもが使ってよいアプリ、閲覧してよいサイトを設定できます。しかし、カテゴリ別にフィルタリングすることはできません。サイトを個別にブラックリストに登録するしかないのです。
- 位置情報の追跡。子どもがどこにいるか、どこに行ったか把握できます。
- アクティビティレポート。デバイスの使用状況をまとめたレポートを見られます。メッセージの送信先、通話相手、頻繁に閲覧したサイトなどを確認できます。
さらに、通話とSMSのモニタリング、SNSアプリのモニタリング、キーロガー、スクリーンレコーダーなど、さまざまな便利機能があります。
なお、多くの機能はルート化または脱獄したAndroidデバイス・iPhoneでしか使えません(キーロガー、ソーシャルメディアのモニタリング、ジオフェンスの設定など)。デバイスをルート化・脱獄すると、スマホのロックを解除し、メーカーが意図しない方法でカスタマイズ・コントロールできるようになります。
しかし、スマホをルート化・脱獄すると、保証が無効になり、マルウェア感染やハッキングのリスクが高まります。また、安全なデバイスでしか使えないアプリが動作しなくなることがあります(銀行アプリやGoogle Payなどの決済アプリだけでなく、NetflixやポケモンGOなどの人気アプリも使えなくなります)。一歩間違えるとスマホが故障することもありますから、注意が必要です。
mSpyはデバイスをルート化・脱獄するのを手伝ってくれますが、むやみにやっていい作業ではありません。
「スマホに手を加えるのは不安…」という方は、mSpyではなくQustodioやBarkを使ったほうが良いでしょう。どちらも業界トップクラスのペアレンタルコントロールアプリで、スマホをルート化または脱獄しなくても使えます。
アプリのモニタリング・フィルタリング
mSpyを使うと、子どもがどのようなメッセージや画像を送信しているか見たり、幅広いSNSアプリで連絡先をチェックしたりできるようになります。
他社の場合、SMSしかモニタリングできないことがほとんどです。ソーシャルメディアの使用時間がどんどん長くなるなか、SNSでのやり取りを把握できるのはとても便利です。しかし、iOSデバイスでモニタリングできるSNSアプリはかなり限られています。
mSpyのSNSモニタリング機能は、ある意味Barkより優れているといえます。Barkだと、いじめや暴力、自殺をほのめかす内容を含むメッセージしか表示されないからです。一方、Barkのモニタリング機能は子どものプライバシーに配慮しているので、その点を重視する方におすすめです。また、BarkならmSpyがカバーしていない人気SNS(RedditやTikTok、Tumblr、Twitterなど)もモニタリングできます。
mSpyでモニタリングできるSNSアプリ | Android | iOS |
✅ | ✅ | |
iMessage | ❌ | ✅ |
KiK | ✅ | ❌ |
Telegram | ✅ | ❌ |
Viber | ✅ | ❌ |
Tinder | ✅ | ❌ |
LINE | ✅ | ❌ |
Snapchat | ✅ | ❌ |
Googleハングアウト | ✅ | ❌ |
Skype | ✅ | ❌ |
✅ | ❌ | |
✅ | ❌ |
mSpyのアプリモニタリングツールはほかにもありますが、素晴らしいとは言えません。
例えば、Androidデバイスでしかアプリをブロックできないのです。また、使用時間を制限したり、アプリごとに使用時間を確認したりすることはできません。一方、Qustodioならこれらすべてが可能で、9,000以上のiOSアプリを検出・ブロックできます。
まとめると、mSpyでSNSアプリの使用状況をモニタリングできるのは良いでしょう。しかし、アプリの使用状況を監視するほかの機能は改善の余地があります。子どもがSNSアプリで送信・共有しているコンテンツを見たいだけならmSpyで良いですが、Qustodioも検討する価値があります。おすすめのペアレンタルコントロールアプリで1位に選ばれていて、アプリのモニタリングツールがとても優れています。SNSアプリの使用状況を把握するにはBarkもおすすめです。
通話とSMSのモニタリング
mSpyなら、AndroidとiOSデバイスで子どもの通話とテキストメッセージをすべて監視できます。
また、子どもが送信した画像も見られます。この機能を試したところ、きちんと動作し、記録されたデータも見やすいと思いました。
mSpyの「通話・SMSモニタリング」は他社よりはるかにパワフルです。例えば、Net NannyとノートンファミリーはSMSモニタリング機能がありません。Barkは通話モニタリング機能がありませんし、前述のとおり、すべてのテキストメッセージを読めるわけではありません。
しかし、mSpyはQustodioほど優秀ではありません。mSpyなら通話・SMSを見守れますが、トラブルを発見しても手を打つことはできないからです。Qustodioならブラックリスト・ホワイトリストを作成し、特定の電話番号との通話、メッセージの送受信をブロックできるので、いじめや有害な人物から子どもを守れます。
まとめると、mSpyの通話・SMSモニタリング機能は、子どもがどのようなやり取りをしているのか見守るのにある程度役立つと思います。しかし、やり取りをコントロールすることはできません。mSpyの通話・SMSモニタリング機能は、監視することしかできないのです。
現在地の追跡
mSpyのロケーショントラッキングはまあまあ良いですが、Androidデバイスでしか使えません。
検証では、子どものデバイスを簡単かつ正確に探せました。「ロケーションタイムライン」には、子どもがいつ、どこに行ったか表示されます。子どもの行動を把握するだけでなく、紛失したデバイスを探すためにも役立ちます。
mSpyはジオフェンス機能もあり、地図上に最大9,999メートルの「許可されたエリア」と「制限されたエリア」をいくつでも設定できます。他社より広範囲をカバーできるのが良いでしょう(参考までに、Qustodioは最大200メートル、ノートンファミリーは最大3,200メートルのエリアを設定できます)。子どもが指定したエリアに到着・出発すると、通知が届きます。
子どもの現在地を把握したい場合、mSpyより多くの機能を提供しているペアレンタルコントロールアプリもあります。例えばノートンファミリーのロケーション監視機能はペアレンタルコントロールアプリのなかでトップクラスで、指定した時間に子どもの現在地を通知するよう設定できます。忙しい保護者は重宝すると思います。また、子ども用アプリには親に位置情報を送信する機能もあり、子どものプライバシーを尊重しつつ、現在地を把握できます。
まとめると、mSpyのロケーショントラッキングは素晴らしいと思いました。かなり正確ですし、位置情報の履歴をチェックしたり、ジオフェンスを設定したりできるのは安心です。しかし、iOSデバイスで位置情報をモニタリングできないのは残念です。
Webフィルタリングとモニタリング
mSpyのWebフィルタリング機能はかなり単純です。Webサイトをブラックリストに登録できるだけで、Androidでしか使えません。
成人向けコンテンツのフィルタリング機能はありません(一流ペアレンタルコントロールアプリが必ず提供している機能で、Googleのセーフサーチ機能を強化するのに役立ちます)。また、カテゴリごとにコンテンツの閲覧を許可・拒否することはできません。
つまり、ブロックしたいサイトを1つひとつ手動で入力しなければならず、検索エンジンの結果に表示されるコンテンツをほとんど管理できないということです。QustodioやNetNanny、ノートンファミリーなど、ほかのペアレンタルコントロールアプリなら、指定されたカテゴリ(妊娠中絶、死・血、ギャンブル、裸など)に該当するすべてのサイトをブロックできますから、mSpyにこのような機能がないのは本当に残念です。
mSpyのWebフィルタリングはあまり優れていないものの、ネットの利用状況を監視する機能はたくさんあり、AndroidとiOSの両方で使えます。子どものブラウジング履歴(いつ、どのサイトを閲覧したか)を簡単に把握できるのです。また、特定のWi-Fiネットワークをブロックしたり、どのサイトをお気に入りに登録したか見たりできます。
mSpyのユニークな機能の1つは、子どものメールをすべて読めること(Androidのみ)。このような機能があるペアレンタルコントロールアプリは珍しいでしょう。Barkのように、メールを読めるペアレンタルコントロールアプリは存在しますが、指定された条件を満たすメール(いじめや暴力、自殺をほのめかす内容を含む場合)しか見られません。
まとめると、mSpyのWebフィルタリングは優れたオプションがありません。これはかなり重大なデメリットでしょう。サイトへのアクセスを許可・拒否したり、検索エンジンの結果を大まかなカテゴリでフィルタリングしたりするのは、ペアレンタルコントロールアプリのもっとも基本的な機能ですから、それができないのは本当に残念です。一方、メールのモニタリングはよいでしょう。mSpyなら子どものメールをすべて見られますから、その点では他社のペアレンタルコントロールアプリより優れています。
キーロガー・スクリーンレコーダー
mSpyのキーロガーとスクリーンレコーダーは、Androidデバイスでチャットのやり取りとスマホの使用状況を見守るのに役立ちます。
スクリーンレコーダーは、子どものスマホでアプリに変化が検出されたとき(新しいメッセージが届いたときなど)にスクリーンショットを撮る機能です。ただ、対応アプリはかなり少なく、今のところWhatsApp、Snapchat、Facebookメッセンジャー、Instagram、Telegramにしか対応していません。一方、キーロガーはメッセージアプリやブラウザの検索バーなどへの入力をすべて記録します。特定のアプリでしか動作しないわけではありません。
キーワードアラート機能を使うと、子どもが特定の単語・フレーズを入力した際に通知が届くようにキーロガーを設定できます。トラブルをいち早く発見するために便利ですね。Barkも似たようなコンテンツモニタリング機能がありますが、mSpyのほうが細かく管理できます。Barkだと、どの単語・フレーズを入力したらアラートを受け取るか指定できないのです。とは言え、Barkのコンテンツモニタリング機能のほうが汎用性が高いでしょう。自分で設定しなくても、機械学習アルゴリズムが15以上のカテゴリ(不安、いじめ、うつなど)に当てはまる問題を検出してくれます。
まとめると、mSkypのキーワードアラート機能は気に入りましたが、キーロガーとスクリーンレコーダーは実用性があるのか疑問です。mSpyのアプリモニタリング、SMSモニタリング、ウェブ監視機能を使えば、キーロガーとスクリーンレコーダーはほとんど必要ありません。もし、キーロガーとスクリーンレコーダーを使ったほうが良い理由があるなら、mSpyはそのことをはっきり説明すべきでしょう。
アクティビティレポート
mSpyのウェブアプリのホーム画面は、子どもの最近のアクティビティを一目で把握できるダッシュボードのはずですが、あまり役立ちませんでした。
大きなグラフに「対象デバイスのアクティビティ」が表示されます。きれいですが、実用的な情報は得られません。ダッシュボードに表示されるほかの情報も同様です。例えば、「だれに何回電話をかけたか」より「だれにいつ電話をかけたか」を調べられたほうが興味深いと思います。
ダッシュボードは色分けされていますが、一貫しません。グラフでテキストメッセージのアクティビティは緑色なのに、その下の「子どもが最近メッセージを送信した相手」は青なのです。そもそも、色分けする意味はない気がします。グラフもそうですが、実用的な情報を得るためではなく、おしゃれに見せるために色分けされている印象を受けました。
Qustodioなど、他社のペアレンタルコントロールアプリのほうが、アクティビティレポートが役立ちます。子どもの安全を守るために必要な情報を分かりやすく表示してくれます。無駄がないので、全体を一目で把握し、行動をとるべきか判断できます。
まとめると、mSpyのアクティビティレポートはかなりガッカリでした。実用的な情報が欲しい場合、サイドバーのタブを1つひとつクリックしてデータを見たほうがよいでしょう。
追加機能
ほかにも、mSpyは次のような追加機能があります。
- マルチメディアファイルにアクセス。子どものAndroidデバイスに保存されている写真・動画を見られるので、不適切なものがないかチェックできます。
- ステルスモード。子どもにバレずにアクティビティをモニタリングしたい場合はmSpyが役立ちます。子どものスマホにいったんインストールしてしまえば、監視アプリがあるのか調べるのはかなり困難です。アプリアイコンはもちろん、アラートや通知も表示されません。つまり、モニタリングしていることを子どもに知られないわけです。とは言え、mSpyが特定のアプリやサイトへのアクセスをブロックした場合、子どもは「何かがおかしい…」と勘づくでしょう。
mSpyのプランと料金
mSpyのホームページには、プランについて掲載されていません。各プランの機能や料金も明記されていないのです。
調べたところ、次のプランがあることが分かりました。
$49.00 / 月のmSpyプレミアムプランでは、すべてのペアレンタルコントロール機能を使えます。
特に、ジオフェンスと、サイト・アプリをブロックする機能はプレミアムプランでしか使えません。子どもが2人以上いる場合は、ファミリーキットプラン($34.00 / 月)が一番オトクです。
ほかのペアレンタルコントロールアプリとは違い、mSpyは無料トライアルと返金保証はありません。しかも、返金方針がかなり厳しいのです。技術的なトラブルが発生し、カスタマーサポートに問い合わせても解決できなかった場合しか返金してもらえません。mSpyのホームページからデモ版をゲットし、使い心地を確認することはできますが、実際の製品を使うのとは違います。
mSpyはコストも割高です。1~3台のデバイスしかカバーできないことを考えると、高すぎると思います。参考までに、Qustodioのプランは$4.58 / 月~で、5~15台のデバイスをカバーできます。また、Bark($5.00 / 月~)とノートンファミリー($4.16 / 月)では無制限のデバイスをモニタリングできます。
まとめると、mSpyの料金とプランは素晴らしいとは言えません。高価格で、機能をじっくり体験できないからです。また、ホームページにはプランや料金体系、機能について分かりやすく明記されていません。
mSpyのインストールと設定
mSpyはソフトをインストールしなくても使えます。ホームページから保護者用アカウントにログインすれば、どんなデバイスでもダッシュボードを見られる仕組みになっています。
一方、mSpyの子ども版アプリはAndroidとiOSのスマホ・タブレットにしかインストールできず、作業はかなり大変です。ほかのペアレンタルコントロールアプリとは違い、アプリストアからmSpyをダウンロードして、画面の指示に従って設定するわけではありません。
AndroidとiOSデバイスのどちらにインストールするか、デバイスがルート化・脱獄されているかによって手順は大きく異なります。Androidのスマホの場合、インストールし始める前にGoogle Playプロテクトを無効にする必要があります。脱獄していないiPhoneの場合、子どものApple IDとパスワードを準備し、iCloudバックアップを有効にする必要があります。
mSpyのすべての機能を使いたい場合、デバイスをルート化または脱獄する必要があります。mSpyも認めていますが、この作業は難易度が高く、プロが行わなければなりません。また、スマホのセキュリティが弱くなるため、ノートンなどのモバイル版アンチウイルスを使って対策することを強くおすすめします。上記を踏まえると、パソコンが苦手な保護者は「使い始めるだけでもハードルが高い」と感じるでしょう。
mSpyのホームページも、利用者を配慮したデザインになっているとは思えません。設定ガイドがなかなか見つからなかったのです。Androidデバイスの設定ガイドはブログに隠されており、iOSデバイスの設定方法はどこにもありませんでした。
mSpyはインストールを手伝ってくれますが、有料です。電話で個別サポートを受けたい場合、追加料金がかかりますし、スマホのルート化・脱獄とソフトのインストールを遠隔から代行してくれる「高度なmAssistanceパッケージ」はとても高価格です。これらのサービスを提供していることからして、インストールがいかに難しいか分かると思います。
まとめると、大半の保護者はmSpyをインストールするのに苦労するはずです。また、mSpyは返金方針が厳しいため、ほかの一流ペアレンタルコントロールアプリを検討したほうが良いかもしれません。
mSpyの使いやすさ
mSpyのウェブアプリのインターフェースはすっきりした直感的なデザインで、日本語で表示できます。
操作しやすく、必要な機能がすぐに見つかります。ほとんどのツールや機能はラベルがついているので、初心者でもすんなり使い始められるでしょう。
ただし、ホーム画面のアクティビティレポートはあまり実用的ではありません。ダッシュボードにはサイドバーがあり、メニューを展開してほかのセクションに移動しますが、ぎこちないと思いました。アイテムが多いメニューを展開すると(一般機能やソーシャルネットワークのメニューなど)、ほかのメニューが下に移動してしまい、下にスクロールしなければクリックできないのです。また、インターフェースをもっとコンパクトにしたほうが使いやすいと思いました。ページに無駄なスペースが多いのです。役立つ情報を表示するか、スクロールしなくて済むように無駄を省くべきでしょう。
まとめると、使い方は簡単ですが、mSpyをインストールするのは大変です。また、他社のペアレンタルコントロールアプリ(QustodioやNet Nannyなど)と比べると、デザインはあまりおしゃれではなく、少し時代遅れな印象です。
mSpyのカスタマーサポート
mSpyのホームページは整理されていないため、必要な情報がなかなか見つかりません。
例えば、サポート記事を読むには、よくある質問とブログを探さなければならず、全ページの右下に表示されるヘルプボタンをクリックしなければ見つからないこともあります。
また、mSpyのホームページにはあいまいな情報が掲載されていたり、情報がまったく掲載されていないこともあります。例えば、iOS向けインストールガイドはありませんし、料金ページがないのでプランを簡単に比較できないのです。また、ルート化・脱獄されていないスマホでどの機能を使えるのか分かりやすく説明していません。
サポート記事のほかに、mSpyは3段階のカスタマーサポートを提供しています。レベル1のサポートは、mSpyのベーシックプランとプレミアムプランの利用者向けです。ヘルプページを閲覧したり、日本語でサポートにメール・チケットを送信したり、24時間年中無休のライブチャットでサポートを受けたりできます。レベル2のサポートは追加料金がかかりますが、電話で個別サポートを受けられるようになります。レベル3のサポートは「高度なmAssistanceパッケージ」というもので、かなり高額ですが、プロがスマホのルート化・脱獄を手伝ってくれます。また、遠隔からmSpyのインストールも行ってくれます。
サポートページの「リクエストを送信」は動作しないようです。また、ライブチャットはなかなか見つかりませんでした。画面右下の「ヘルプ」ボタンをクリックしなければなりません。とは言え、ライブチャットサポートを試したところ、対応はとても速く、担当者はすべての質問に詳しく回答してくれました。
まとめると、mSpyのライブチャットサポートは良いですが、他社のペアレンタルコントロールアプリのほうが優れたサポートを提供しています。例えば、Qustodioはライブチャットはないものの、ホームページがきちんと整理されているので質問の答えをすぐに調べられます。また、サポート記事も充実していて、画像を踏まえて詳しく解説しています。ビデオガイドもあるほどです。それでも助けが必要なときは、チケットで問い合わせることができ、すぐに対応してもらえます。
mSpyは2024年に購入するほどの価値があるのでしょうか?
mSpyは監視アプリとしては優れていますが、ペアレンタルコントロールアプリとしてはおすすめしません。
SMSやメッセージアプリ、メールを監視するためには役立つものの、重要なペアレンタルコントロール機能を欠いているからです。
子どもが送受信したメッセージの閲覧、ブラウジング履歴と通話履歴の確認、現在地の追跡、アプリやサイトのアクセス制限、指定した単語・フレーズを入力した場合に通知を受け取るなどが可能です。
しかし、mSpyを使ってもカテゴリ別にサイトをフィルタリングすることはできません(子どもにアクセスして欲しくないサイトを1つひとつ設定することになります)。また、スクリーンタイムやアプリの使用時間を制限したり、YouTubeの利用状況を監視したり、通話をブロックしたりする機能はありません。
さらに、mSpyは比較的使いやすいものの、設定はかなり大変です。mSpyのすべての機能を使うにはスマホをルート化・脱獄しなければならず、手間がかかります。デバイスの安全が脅かされるのも困りものです。
また、mSpyは無料トライアルや無料プラン、返金保証がないのも残念です。返金方針はとても厳しく、トラブルが発生してmSpyのテクニカルサポートが解決できなかった場合しか返金してもらえません。
よくある質問
mSpyは安全ですか?
はい。mSpyは10年以上の実績があり、信用できる企業です。利用者の個人情報は暗号化され、プライバシーポリシーには「mSpyがサービスを提供し、法的義務に従うために必要な場合を除き、第三者と個人情報を共有することはない」と書かれています。ただ、mSpyをインストールし、すべての機能を使うには、危険を伴う作業をしなければなりません。
例えば、AndroidデバイスにmSpyをインストールして実行するには、Google Playプロテクトを無効にする必要があります。当然ながら、Google Payプロテクトを無効にしてしまうと、悪意のあるアプリに対して脆弱になります。さらに、キーロガー、SNSのモニタリング、ジオフェンスなど、mSpyの高度な機能を使うにはデバイスをルート化・脱獄しなければなりません。しかし、スマホを脱獄すると保証が無効になり、マルウェアが侵入しやすくなってしまいます。また、作業を間違うとスマホが故障し、使えなくなってしまう恐れもあります。このような理由から、mSpyを使う場合は高品質セキュリティソフトを入手すべきでしょう。
mSpyと同じような機能があり、スマホをルート化・脱獄しなくても使えるペアレンタルコントロールアプリをお探しの方は、Barkをご検討ください。Barkの場合、子どものメッセージをすべて読むことはできないものの、いじめやうつ病を示唆する内容など、心配なコンテンツ・不適切なコンテンツがあったら通知してくれます。
mSpyは合法ですか?
あなたがどこに住んでいるか、だれを監視しようとしているのか、本人とどのような関係なのかによります。例えば、アメリカでは18歳未満の子どものスマホにmSpyをインストールするのは合法です。しかし、恋人や配偶者、職員など、成人のスマホに、本人の同意なく無断でmSpyをインストールするのは違法です。
mSpyはスマホをルート化・脱獄しなくても使えますか?
はい。スマホをルート化・脱獄しなくても使える機能はたくさんあります。ただ、キーロガーやSNSのモニタリング、ジオフェンス機能など、ルート化・脱獄しなければ使えない高度な機能もあります。
スマホをルート化・脱獄する方法が分からない場合、「高度なmAssistanceパッケージ」を購入すれば、遠隔からインストールを代行してもらえます。しかし「スマホをルート化・脱獄するのは不安…」という場合は他社製品を検討したほうがよいでしょう。Qustodioは業界トップクラスのペアレンタルコントロールアプリで、通話とSMSをモニタリングできます。また、BarkはmSpyと同じような機能があり(SNSアプリのモニタリングなど)、デバイスをルート化・脱獄する必要はありません。
mSpyをインストールすると子どもにバレるのでは?
いいえ。mSpyのアプリをいったんインストールしてしまえば、バレる可能性は極めて低いでしょう。パソコンが得意な子どもでも、変化に気付くことはないはずです。mSpyはアプリの一覧に表示されませんし、バックグラウドで動作するのでアラートや通知もないからです。
mSpyを遠隔からインストールすることはできますか?
いいえ。mSpyを設定するには、モニタリングしたいスマホを直接操作する必要があります。とは言え、mSpyのインストールは5~10分程度で完了するはずです(デバイスをルート化・脱獄する時間は除きます。この作業は時間がかかる場合があります)。
mSpyを使うと、子どもがWhatsAppでどのようなメッセージを送受信しているか見られますか?
はい。mSpyを使うと、Android・iOSデバイスでWhatsAppメッセージを読めるようになります。対象デバイスをルート化・脱獄する必要はありません。ただし、iOSデバイスでSnapchatやViber、Telegramなどのメッセージを読んだり、SkypeやFacebookメッセンジャー、LINEなどのSNSアプリで子どものやり取りをモニタリングしたい場合、対象デバイスをルート化・脱獄する必要があります。
「デバイスをルート化・脱獄したくない。SMSメッセージだけモニタリングしたい。」そんな場合は、Qustodioを使うと良いでしょう。誹謗中傷、暴力、自殺をほのめかす発言など、心配・不適切な内容を含むメッセージだけ読みたいなら、Barkがおすすめです。
mSpyで通話は録音できますか?
いいえ。mSpyを使うと、子どもの連絡先を見たり、発着信履歴を記録したりできます。子どもがいつ、だれと、どれくらいの時間通話したか見ることはできますが、会話の内容を聞くことはできません。
mSpyの無料トライアルはありますか?
いいえ。mSpyは無料トライアルの提供を中止してしまい、無料版もありません。これはかなり残念です。QustodioやNet Nanny、ノートンファミリーなど、ほかの一流ペアレンタルコントロールアプリとは違い、mSpyは返金保証もありませんし、返金方針もかなり厳しいため、購入前に製品を実際に使って良し悪しを判断することはできません。デモ版を使ってみることはできますが、製品の使い心地を把握するのは難しいでしょう。