Phone Guardianのエキスパートレビュー:まとめ
Phone Guardianは無料VPNアプリですが、仕組みは通常のVPNと異なります。IPアドレスを隠したり変更したりせず、インターネット通信をすべて暗号化するわけでもないのです。Phone Guardianはアプリの通信をスキャンして保護されていないデータを見つけ出し、保護されていないWiFiネットワークに接続されている場合にデータを暗号化します。
最大の欠点は、高品質VPNとは違ってIPアドレスを隠さないことです。ハッカーに狙われる可能性があり、訪問先のサイトに大まかな現在地を知られてしまいますから、海外旅行中に日本のライブラリにアクセスすることはできません。また、位置情報をもとにターゲティング広告が表示されます。そのため、IPアドレスを隠すだけでなく、接続する国を選べる安全なVPNを入手することをおすすめします。VPNのおすすめランキングTOP 10では、これらの条件を満たすサービスを紹介していますので是非参考にしてみてください。
また、Phone GuardianはIPアドレスを変更しないため、ネット検閲を回避するためには役立ちません。インターネット制限を避けるためにVPNが必要な場合はExpressVPNがイチオシです。中国のように検閲の厳しい国でネット規制を確実に回避できます。
Phone Guardianは無料VPNにありがちな落とし穴がたくさんあります。通信が遅く、プライバシーとセキュリティが弱く、データ制限があり、機能が少なく、データを収集されて第三者に売り渡されるリスクがあるのです。
Phone Guardianはアプリの利用状況やブラウジングの嗜好に関するデータを収集しますが、データ共有からオプトアウトすることも可能です。とは言え、オプトアウトしてもPhone Guardianはデータを収集します。部外者と共有されるのを防ぐだけなのです。また、Phone Guardianを運営するdata.aiは、消費者や市場のデータをほかのビジネスに提供する企業であり、これは明らかにプライバシーリスクです。一方、ExpressVPN、Private Internet Access、
追加機能はほとんどありません。データを暗号化するほかに、Phone Guardianはスマホのアプリをモニタリングし、バックグラウンドで動作していたり画面がオフのときに何らかの処理を行っていたりすると知らせてくれます。また、各アプリの使用時間と過去24時間のデータ通信量をタイムラインで把握することもできます。しかし、大半のスマホはスクリーンタイムやアプリの使用状況を確認するための機能を内蔵していますから、VPNに含まれていても役立つとは思えません。CyberGhost VPNやNordVPNなどの一流VPNは、より有益な追加機能があります(スプリットトンネリング、広告・トラッカー・マルウェアブロッカー、Smart DNSなど)。
インターフェースについて、Phone GuardianのAndroid・iOSアプリは日本語に対応しています。Phone Guardianのカスタマーサポートはイマイチでした。公式サイトにはFAQページがありますが、内容はかなり基本的で、画像やビデオはありません。Phone Guardianはライブチャット窓口もなく、FAQページに掲載されているメールアドレスは役に立ちません。さらに、アプリもサイトもPhone Guardianの仕組みと機能の説明が非常に曖昧です。ExpressVPNやPrivate Internet Accessなどの良質なVPNは、公式サイトに詳しいヘルプセンターとFAQページがあり、ライブチャットサポートも提供しています。
手頃なプレミアムVPNを選んだほうが良いでしょう。AndroidとiOSに対応した2024年におすすめのVPNは安全かつ高速で、機能が多く、動画の視聴にも向いています。無料で使えるモバイルVPNがどうしても欲しい場合、もっと優れた無料サービスは存在します。