AdGuard VPNのエキスパートレビュー:まとめ
AdGuard VPNは安全かつ高速で、動画の視聴に適しており、アプリは使いやすく、日本語で利用できます。キルスイッチ、256ビットAES暗号化、厳格なノーログポリシーなど、業界標準のVPNセキュリティ機能がそろっているほか、スプリットトンネリングや完全な漏えい対策などの追加機能もあります。NetflixやAmazonプライムなど、すべての主要な動画配信サービスに対応しているのもポイントです。
しかし、デメリットもあります。ノーログポリシーの独立監査は行われておらず、RAMのみのサーバーなどの高度なセキュリティ機能はありません。サーバーネットワークも小規模です。日本を含む60か国に1,000+台しかサーバーがなく、遠くのサーバーはやや低速です。24時間年中無休のライブチャットはなく、メールサポートの対応が遅いのも残念です。AdGuard VPNよりExpressVPNなどのVPNのほうが優れています。すべての高度なセキュリティ機能が備わっていて、巨大サーバーネットワークを構えているほか、24時間年中無休のライブチャットに日本語で問い合わせることができます。
AdGuard VPNは 1か月、1年、2年プランがあります。1年と2年プランは30日間返金保証の対象です。
AdGuard VPNの完全レビュー:機能と使いやすさは良いものの、至らない部分も

数週間かけてAdGuard VPNの調査と検証を実施し、業界トップクラスのVPNと比較しました。このVPNは強力なセキュリティ機能を備えていて、アプリは使いやすく、追加機能もいくつかあります。動画の視聴に適しているほか、本拠地はプライバシー保護を重視しているキプロスです。
しかし、AdGuard VPNは重要な機能をいくつか欠いています。RAMのみのサーバーを採用しておらず、ノーログポリシーは独立監査を受けていないのです。さらに、サーバーネットワークは小規模で、24時間年中無休のライブチャットもありません。
AdGuard VPNのプランと価格:手頃な価格で複数のプランがある
AdGuard VPNは複数の長期プランを提供していて、価格は$2.99 / 月~となっています。VPNプランの価格はリーズナブルで、一番オトクなのは2年プランです。しかし、ExpressVPNやPrivate Internet Accessなどの一流VPNのほうがサーバーネットワークが大規模で、追加機能が多く、高速なので、AdGuard VPNより価値があります。
無料プランもありますが、あまり気に入りませんでした。1か月当たりのデータ使用量は3GBに制限されていて、10か所のサーバーしか使えません。また、最大2台のデバイスでしか同時利用できません。どうしても無料プランが欲しい場合はProton VPNを検討しましょう。データ無制限で、より高速です。
AdGuard VPNはクレジットカード・デビットカード、PayPal、仮想通貨で支払えます。また、最大10台のデバイスを同時接続でき、1年と2年プランは30日間返金保証の対象です。
AdGuard VPNの機能:基本機能はすべてそろっているものの、一部の高度な追加ツールを欠いている
AdGuard VPNは業界標準のVPNセキュリティ機能があります。
- 256ビットAES暗号化:AdGuard VPNは金融機関や政府機関が採用しているのと同じ暗号方式でデータを守ります。
- ノーログポリシー:AdGuard VPNは利用者の個人情報、ブラウジングアクティビティ、その他の機密情報を保存しません。
- キルスイッチ:VPN接続が切断された場合、キルスイッチがインターネット通信を切断してデータ漏えいを防ぎます。キルスイッチ機能はiOSアプリを除くすべてのアプリで利用可能です。
AdGuard VPNは「AdGuard VPN protocol」という独自プロトコルを提供しています。HTTP/2トランスポートプロトコルを用いてVPN通信を通常の通信に見せかける仕組みです。とは言え、独立監査を受けたりプロトコルをオープンソースにしたりすると信頼感がアップすると思います。例えば、ExpressVPNの独自プロトコル「Lightway」は監査に合格していますし、OpenVPNやWireGuardなどの人気プロトコルはオープンソースとなっています。
AdGuard VPNはHTTPの最新版「QUIC通信プロトコル」も提供しています。公共Wi-Fiに接続したり地下鉄やエレベーターでモバイルデータ通信を利用したりする際、より安定した通信が期待できます。さらに、iOSアプリのIntegrated(併用)モードではIPSecプロトコルを使うことになります。若干遅くなりますが、安全です。
しかし、再起動のたびにすべてのデータを消去する「RAMのみのサーバー」などの高度なセキュリティ機能はありません。ExpressVPN、Private Internet Access、CyberGhost VPNなど多くの他社VPNはこの機能を提供しています。
AdGuard VPNはDNS、WebRTC、IPv6の漏えいを防ぐためにも効果的です。検証で20か国以上のサーバーに接続して漏えいテストを実施したところ、漏えいは一切検出されませんでした。また、パーフェクトフォワードシークレシー(セッション毎に暗号鍵を変更するセキュリティ機能)があり、ハッカーが不正アクセスし得るデータを最小限に抑えています。
AdGuard VPNは次の追加機能もあります。
- スプリットトンネリング:どのアプリやサイトがVPNトンネルを経由するか選ぶことができ、それ以外のアプリとサイトはローカルネットワーク通信を使うことになります。AdGuard VPNのGeneral(一般)モードでVPNトンネルから除外したいサイトを登録できます。除外したサイト以外のすべての場面でVPNが動作するわけです。Selective(指定)モードでは、VPNに含めるリストに登録したサイトでのみVPNが動作します。検証でChromeブラウザアプリのみをVPNに経由させたところ、ストリーミングの通信速度が向上しました。
- AdGuard DNS:広告、広告トラッカー、フィッシングサイトへの接続をブロックするサーバーです。URLを入力したりリンクを開いたりすると、AdGuard DNSが該当するIPアドレスを分析し、悪意のあるサイトが所有するIPアドレスだった場合はアクセスをブロックする仕組みです。AdGuard VPNはGoogle DNSやCloudflare DNSなど、複数のDNSサーバーを提供しています。検証では一部の広告しかブロックしませんでしたが、怪しいサイトへのアクセスはしっかり防いでくれました。とは言え、Private Internet Accessの「PIA MACE」のほうが広告、広告トラッカー、不審なサイトを確実にブロックしてくれます。
AdGuard VPNのプライバシーとセキュリティ:厳格なノーログポリシーがあり、本拠地はプライバシー保護に適した国
AdGuard VPNは厳格なノーログポリシーを掲げています。閲覧履歴、IPアドレス、ファイルのダウンロード履歴を保存しないわけです。ただし、メールアドレスとパスワードは収集します。また、VPNの公式サイトのコンテンツをパーソナライズするためのCookie、請求先住所、支払い情報も収集します。
AdGuard VPNのノーログポリシーの独立監査が行われることを期待したいものです。ExpressVPNやPrivate Internet Accessなどの一流VPNのノーログポリシーは独立監査済みで、ポリシーを遵守していることが確認されていますから、透明性が高いのです。

AdGuard VPNはキプロスの企業です。プライバシーに配慮した国で、監視データを共有する多国間協定「5・9・14アイズアライアンス」に加盟していません。
まとめると、AdGuard VPNは厳格なノーログポリシーがありますが、独立監査は行われていません。本拠地はプライバシー保護に適した国です。
AdGuard VPNの速度とパフォーマンス:近距離サーバーでは高速、遠くのサーバーでは速度低下が目立つ
AdGuard VPNがサーバーを設置している全60か所のサーバーに接続し、Windows PCでスピードテストを実施しました。最速だったのは近くのサーバー(北マケドニア)に接続したときです。一方、アメリカの長距離サーバーに繋ぐと若干の速度低下が見られました。
まず、VPN接続なしでスピードテストを行って回線速度の基準値を割り出しました。次に、一番近いサーバーに接続しました。

最後に、アメリカの遠距離サーバーに繋ぎました。速度の結果はこちらです。

近くのVPNサーバーに繋いだ際、通信速度は約47%低下しました。Webページは瞬時に表示されたものの、HD動画を再生しようとすると少しバッファが発生しました。
アメリカの遠くのサーバーに接続すると通信速度は51%低下しました。ページの表示に3~4秒かかり、HD動画を見ようとしたときは10秒程度待たなければなりませんでした。
まとめると、近距離サーバーは高速でしたが、遠くのサーバーでは速度低下が気になりました。他社VPNのほうがはるかに高速です。
AdGuard VPNのサーバーとIPアドレス:ネットワークは小規模であるものの、世界中にサーバーが分散されている
AdGuard VPNは60か国に1,000+台のサーバーがあります。サーバー設置地域はアメリカ、ヨーロッパ、アジア(日本サーバーあり)、中東、アフリカ、オセアニアをカバーしていますから、国内または隣国のサーバーに繋いで最速の通信速度が得られます。しかし、ExpressVPNやCyberGhost VPN、Surfsharkなどは100か国以上にサーバーがあるので、それと比べるとAdGuard VPNのサーバーネットワークは小規模です。
法的規制の関係で、ロシアやインドなど一部の国にはバーチャルサーバーがあります。バーチャルサーバーに繋ぐと接続先の国のIPアドレスを取得できますが、サーバー本体は別の国に設置されています。
サーバーのレイテンシ(デバイスからサーバーにデータが到達するまでの所要時間)が表示されるのは気に入りました。最速のサーバーを見極めるのに役立ちます。この情報を表示しないVPNもありますから、素晴らしいですね。
AdGuard VPNプロトコルを使用するすべてのサーバーが難読化に対応しています。しかし、中国やロシアなど規制の厳しい国で難読化機能が動作する保証はありません。
まとめると、AdGuard VPNのネットワークは小規模ですが、サーバーは世界中に満遍なく分散されています。バーチャルサーバーも利用可能で、サーバーのレイテンシが表示されます。さらに、AdGuard VPNプロトコルを通して全サーバーが難読化に対応しています。
AdGuard VPNでのストリーミングとトレント:動画再生には便利。トレントには向かない
AdGuard VPNは動画の視聴に適しています。Netflix、ディズニープラス、Max、Amazonプライム、Huluなどを確実に利用できます。ほかにも、Tubi、Pluto TV、ITVなど、知名度の低いストリーミングサイトにも対応しています。AdGuard VPNで多数の動画配信サービスが利用できますが、ExpressVPNは100以上の動画配信サイトに対応しています。

トレントにはあまり向きません。カスタマーサポートによると、トレントの通信はDMCA(アメリカのデジタルミレニアム著作権保護法)の対象地域外に送信されるそうです。幸い、BitTorrent、uTorrent、Vuzeなどの人気P2Pアプリは問題なく利用できます。
SOCKS5プロキシがあるのは素晴らしいでしょう。通信を暗号化せずにIPアドレスを変更するため、より高速でファイルをダウンロードできます。しかし、トレントにはPrivate Internet Accessのほうがおすすめです。全サーバーでP2P通信が許可されていて、複数のSOCKS5プロキシサーバーが許可されているほか、ポートフォワーディングもあるのでより多くのピアに接続してダウンロードを高速化できます。
まとめると、AdGuard VPNは動画の視聴にはおすすめですが、トレントにはまあまあです。複数の動画配信サービスに対応しており、主なP2Pアプリも使えます。
AdGuard VPNの使いやすさ(モバイルアプリ・デスクトップアプリ):使い勝手が良く、カスタマイズ可能

AdGuard VPNはiOS、Android、Windows、macOS用アプリがあり、日本語対応で使いやすい設計です。Chrome、Firefox、Edge、Opera用のブラウザ拡張機能もあります。とは言え、Linuxなどすべての主要OS、スマートテレビ、ルーターのためのアプリがないのは残念です。
iOSアプリはとても優れています。2つのモードがあり、アプリがGeneral(一般)モードになっている時はAdGuard VPNプロトコルを使います。Integrated(併用)モードはIPSecプロトコルを使うので、VPNとAdGuard広告ブロッカーを併用したいときに便利です。さらに、アプリアイコンを長押しするだけで、接続、接続の終了、新しいサーバー拠点の選択ができます。しかし、iOSアプリはキルスイッチがありません。
Operatingモードを開くと、「VPN」、「Proxy」、「Compatibility」モードという3つのオプションから選択できます。VPNモードではすべてのデータが自動的にVPNに転送されます。Proxyモード(SOCKS5)を有効化すると、AdGuard VPNは近くのプロキシサーバーを実行し、ほかのアプリはそのサーバーにデータを転送できるようになります。Compatibility(併用)モードを使用すると、AdGuard VPNとAdGuard広告ブロッカーが同時に動作します。OperatingモードはAndroidアプリとデスクトップアプリで利用可能です。
デスクトップアプリも比較的使いやすいと感じました。起動設定をカスタマイズできます。例えば「パソコンにログインした際にVPNアプリを開く」、「VPNアプリを開いたらVPN接続を自動的に開始する」という設定が可能です。テーマを「ライト」、「システム設定」、「ダーク」に変更することもできます。
まとめると、AdGuard VPNはほとんどのデバイス用のアプリがあり、使いやすい設計です。直感的に操作できるデザインで、さまざまなモードから選べるほか、起動設定を変更することもできます。
AdGuard VPNのカスタマーサポート:窓口が比較的多く、役立つ

AdGuard VPNは複数のカスタマーサポート窓口があります。メールサポート、ヘルプセンター(日本語に一部対応)、よくある質問集、サブレディット、GitHub、Telegramチャンネルがありますが、ライブチャットはありません。
時間帯を変えてメールサポートを試してみました。返信が届くのに3日かかりましたが、回答は非常に詳しく、フォローアップメールを送信しなくても疑問を解消できました。参考までに、ExpressVPNのメールサポートは8時間で対応してくれます。

ヘルプセンターもあり、便利な設定ガイドが掲載されています。よくある質問集は詳しく書かれていますが、回答を見るにはカテゴリをいくつも選ばなければなりません(デバイスの種類、トラブルの内容など)。
掲示板もありますが、AdGuardの広告ブロッカーに関する投稿がほとんどです。ほかにも、GitHubでトラブルを報告したり、サブレディットでスレッドを読んだり、Telegramチャンネルを利用したりすることもできます。
まとめると、AdGuard VPNのカスタマーサポートは満足できます。ヘルプセンターには日本語の詳しい記事が掲載されていて、よくある質問集、サブレディット、Telegramチャンネル、GitHubサポートも利用可能です。しかし、24時間年中無休のライブチャットはありませんし、メールサポートは返信が遅いことがあります。
AdGuard VPNを使う価値は?
AdGuard VPNは比較的優れたVPNですが、業界トップクラスのVPNには及びません。近くのサーバーは高速で、動画の視聴に向いており、アプリは使いやすく、日本語に対応しています。また、スプリットトンネリングやAdGuard DNSなどの追加機能もあります。
しかし、RAMのみのサーバーなどの高度なセキュリティ機能はなく、ノーログポリシーの独立監査は行われていません。サーバーネットワークは小規模で、日本を含む60か国に1,000+台しかサーバーがないほか、24時間年中無休のライブチャットはありません。また、メールサポートは対応に最大3日かかります。
AdGuard VPNは複数の長期プランと無料トライアルがあります。無料プランのデータ使用量は毎月3GB、利用可能なサーバー拠点は10か所、同時接続数は2台となっています。有料プランでは最大10台のデバイスを接続でき、1年とその他の長期プランのみが30日間返金保証の対象です。
よくある質問
AdGuard VPNの安全性は?
AdGuard VPNは安全で、強力なセキュリティ機能があります。256ビットAES暗号化、完全なデータ漏えい対策、厳格なノーログポリシー、VPN接続が切れた場合にインターネット接続を無効にすることでデータ漏えいを防ぐキルスイッチなどが備わっているのです。
しかし、RAMのみのサーバーなどの高度なセキュリティ機能はなく、ノーログポリシーの独立監査は行われていません。
AdGuard VPNはNetflixに対応していますか?
はい、筆者が試したときはAdGuard VPNで確実にNetflixを利用できました。VPN接続でディズニープラス、BBC iPlayer、Hulu、Amazonプライムなどの動画配信サービスでコンテンツを視聴することもできます。
AdGuard VPNは無料ですか?
はい、AdGuard VPNは無料プランがありますが、あまり良くありません。利用可能なサーバー拠点は10か所、毎月のデータ使用量は3GB、同時接続数は2台に制限されているのです。無料プランが欲しい場合は2026年におすすめの無料VPNをご覧ください。正直なところ、有料プランを購入したほうが良いと思います。日本サーバーを含め60か国にある1,000+台のサーバーが利用でき、データ無制限で、10台のデバイスを接続できます。
AdGuard VPNはトレントを許可していますか?
はい、AdGuard VPNはトレントを許可していますが、P2P通信はDMCA(アメリカの著作権保護法)の対象外地域に送信されます。人気P2Pアプリが利用でき、SOCKS5プロキシもサポートしていますが、AdGuard VPNよりトレントにおすすめのVPNは存在します。

